「ふわあ、眠い」
「随分と間抜け面だな」

フェーダとの戦いもつい先日終わり一気に緊張感が抜けた私はここ最近寝るか食べるかの二択だった。13歳の女子とは思えない生活である。そして久しぶりにエイナムにちょっかい出しにやってきたわけだが、エイナムに女子と思われていないであろう酷い一言を頂いてしまった。こいつは確実に女心ってやつを分かっていない。
ぐでんとエイナムに寄り掛かってみた。「やめろ、重い」やべえ、こいつマジで酷い。

「眠いね、エイナム」
「別に私は眠くない」

ツンツンしているがなんだかようやくいつも通りのエイナムに戻ったみたいで嬉しい。エルドラドにいる時なんて「アルファさま、アルファさま、」って、本人は気付いていなかったみたいだけどただのストーカーみたいだったもん。
思わずくすくすと笑いを零すと背中越しに睨まれたのを空気で感じ取った。相変わらず短気だなあ。

「眠いね、エイナム」
「……………」

なんということだ。ついには返事すら返してくれなくなってしまった。
それでも関係なしに私はエイナムに全体重をかける。女の子のような顔をしていても悔しいことにやはり男子なので「重い」なんて言いつつも体はしっかりと私を支えて安定している。この小さな体のどこにそんな力があるのだろうか。不思議でならない。

「眠いね、エイナム」

三度目の言葉を口に出すとエイナムは目を向けていた雑誌を閉じた。

「……そうだな。」

その言葉に私は満足げに笑ってエイナムに身体を預けたままゆっくりと瞼を下げた。



一人では眠れない
≫Einam…沙羅さま
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -