(リザードン) 「―よくやった」 「あぁ、」 口から洩れるのは荒い息のみで。酸素を肺へ送ろう肺へ送ろうとするけれども疲れているせいかそれもなかなか叶わなくて、胸をぎゅっと押える。もちろん、自分達も無傷な訳ではなく、身体中が、痛む。ずきずき、する。そんな様子を知ってか知らずか息ひとつ乱さない主へと視線を向ける。 (笑いも、しないのか) 頬が痛い。 血が流れるのを、全身で感じる。 自分だけでなく、他の奴らだって、そう。疲れて、今にも、倒れてしましそうで。主へと視線を送る。 「戻れ」 主の呟きに、次に次にと他の奴らを光が包む。 「お前も、」 「待、」 何、と冷めたような視線を向けられる。それでも、自分の言う事を聞いてくれるのは主なりの優しさだと、思う。 「主、は」 「―何」 「楽しいのか」 「さぁ、―どうだろう」 たいした用件もないのなら戻れとでも言いたげに主はため息を漏らす。 (それでも、) 「お前たちが忠実に私の言う事をきてくれる限りは、楽しいのだと思おうか」 (忠誠心さえあれば、) 「愛するのは、いけないのか 一瞬だけ、主の目が丸くなったように見えたのは気のせいだろうか。 「いけないね」 だって、情がわいてしまうだろう 愛よりも忠誠を 091009 ×
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