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あの後、ハリーとドラコの二人は原因不明の眠り病らしきものに陥っているらしかった。
とてつもなくうなされ、稀に叫び声まであげるらしいが決して目は覚まさない。どう考えてもダークライのダークホールですねありがとうございました。

突然の気候を無視して吹き荒れた吹雪に加えて二人の病状。しばらく飛行訓練はホグワーツ全体で休止ということになった。それに伴いクィディッチの練習も中止になったらしく、学内からは不満げな声も聞く。

ダークホールの威力自体は1日もあれば目を覚ます程度のものだ。しかし今日で3日目。どう考えてもダークライが技の上書きをしている気がする。
彼なりに怒っているのだろうということで放っているが、そこそこにしときなよと声をかけた時にちゃんと頷いていたので多分今日あたりには目を覚ますだろうと思う。








さてそんな彼らを尻目に、校長室に呼び出されなうな私の方をどうにかして欲しい。
目の前には机に向かって仕事をするダンブルドア校長。そして呼び出されて部屋に入った時のまま机の前に立っている私。なんかもう30分ほどこのまんまなんだけどそろそろ帰っても良いかな。人のこと呼び出しといてこれはない。


「用事ないみたいなんでお仕事の邪魔しちゃ悪いですし帰りますねそれでは」

「まぁ待ちなさい」

「いえいえいえそんな私なんかのためにお時間頂くのも悪いくらいお忙しそうですし」

「そう言わんとお茶でもどうだね」

「………。」


用があるなら何故立たしたし。いやなんとなく理由は分かるが、そんなものでびびっていたらシロナさんとなんか働けないですしおすし。


「さて、何故呼び出されたのかはもちろん分かっているんじゃろう?」

「いえまったくさっぱり」


ダンブルドアはストーカーでもしているのだろうか。しかし私の方も譲れやしない戦いである。あれは不可抗力だ。ああでもしなけりゃリオルの頭が割れていた。
私はリオルのトレーナーとしての責任を果たしたまでである。モンスターペアレント?なにそれおいしいの?


「…何か、理由があるんじゃろうて」

「…何のことをさしているのか、私には分かりかねますが」

「ハリーは友達ではないのかね?」

「あ、はい。違います。」

「……」

「…………。」


あ、これしくった。即答したところダンブルドアの眉間に深い深い皺が寄った。いやそんなに悲しげなお顔をなさらなくても、まじで知り合い程度なのだから仕方が無い。そりゃあ教室が同じであれば喋りはするが、あくまで知り合い程度である。


「では、ドラコは?」

「何がおっしゃりたいんですか」

「あれは、お前さんの力じゃろう?」


焦れてきたのか思いっきり単刀直入にきいてきたなこの校長。完全にしょっぱなから疑ってかかられている。あー傷ついた私のガラスのハートはぼろぼろだわーかっこわらいかっことじ。

えーこれ言わなきゃ帰さねえぞコラってことですかそうですか。多分私が言わなきゃ自白剤的な魔法を使う気なのかもしれない。杖を椅子の横に置いたまま話す辺りがなんとも白々しい。この前図書館で見たその魔法はなかなかに使え…いやいやえげつない代物だった。

ここに来る前にメタグロスにひかりのかべを張ってもらっているので、ここで魔法攻撃を食らっても威力を軽減できはするだろうが、何かあったらまもるを覚えているラグラージが出る気まんまんでモンスターボールの中に控えているのが見えて頭が痛い。自分を盾にすることを何とも思ってないその態度は気持ちは嬉しいがあとでちょっとお説教コースだ。
ダンブルドアは私が何か言うまで待つつもりなのか、目の前の椅子に座ったまま動かない。


しかしこちらもこちらであまり詳しい事は言えない。ダンブルドアにはリオルは見せたことはないし、あまり手札をさらしたくはない。
しばらく考えて、当たり障りのないように言葉を選ぶ。


「私の愛しい子が、いたいいたいと泣くのです」


あれ、これ厨二病臭くないか…?おもいっきり末期患者ですやん…
自分の言った台詞に思わず苦い顔になってしまった。なんという厨二発言。ちょっと背中がむず痒すぎて鳥肌。

い、いやでもこの年ってほら?ほらほら?ちょうど発症時期ですよね???
私もこのころ通りすがりの虫とり少年相手に「君じゃ私には役不足ね」とかいっちゃったり(もちろん勝ったけど)、ジムリーダー相手に「お前は私に負ける」とか宣言しちゃったり(もちろん勝ちましたけども)、あ、やばいこれ思い出すのやめよう。リザと私の黒歴史すぎて身が持たん。

でもジムリーダーは基本的には自分の本来の手持ちパーティではなく、その町に来る挑戦者達にあわせたレベルのポケモンで戦っている。ある程度を選別し、きちんと力を付けたトレーナーだけを先に進ませるためだ。みんなほんと懐が深いです。涙出るわ。私だったそんな生意気なガキはぼっこぼこにする。けちょんけちょんにする。

この前も挑戦者があまりにもこう…「お前は俺に倒される運命だった」「いつもバトルでへらへら笑いやがって」的な事を言うからぼこぼこにした。それでねえいまどんな気持ち?ねえいまどんな気持ち?ねえねえねえ????ってやってたらシロナさんに締められた。片手で私の首掴んで持ち上げやがったんだぜ…信じられるか…?さすがチャンピオン…

でもその時四天王メンバーの中ではやってたんだよ仕方ないよ。バトルして負けた方にねえいまどんな気持ち????っていうのはやってたんだよ…四天王仕事しろよはいすいません。

テレビに映るバトルは基本エンターテイメント性重視だから、四天王も色々と苦労しているんです。大体勝つから半分遊んでるけど。
私のバトルは見た目の派手さ重視な感じだから印象に残りやすいっぽいし。そのせいで真面目にバトルしてないととられることも多いのは分かっているが、でも人から言われればやっぱり腹は立つわけで。
でも一番詐欺してんのシロナさんだけどね。あの笑顔でね。子供だましてるよね。


思わず遠い目をしてしまった私は悪くない。



140209

*ひかりのかべ…5ターンの間、相手の『とくしゅ』攻撃のダメージを半分にする。味方2体の場合は半分ではなく2/3になる。急所に当たった場合は軽減されない。交代しても効果は続く(ポ/ケ/モ/ン/徹底/攻/略様より引用)

この話では魔法=特殊攻撃技、と捕らえています。
エンターテイメント性うんぬんはア/二ポケをみていあれだけ大きな大会であればマスコミも騒ぐだろうなぁということと、シロナさんがテレビに映っていた記憶がうっすらあったこととあわせての捏造です。突っ込み所多いですが読み飛ばしてやって下さい…´p`




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