24 なんだか私が選んだ杖は忘れさられていた割に珍しい材料でできていたようで、扱いが難しいうんぬんと説明された。なんでも昔の偉い人(何か説明はされたが名前は忘れた)とおそろいなんだとか。いらん豆知識である。そんな大切なものをゴミ同然に扱うとはこれいかに。 とりあえず振ってみろといわれ、なんかもうこれでいいやといった投げやりな感じになったのでメタグロスの入ったモンスターボールを軽く叩く。中でメタグロスが小さくうなずいたことを確認し、杖を振った。 結論。 メタグロスやりすぎ。 あれだけごっちゃごちゃの樹海状態だった部屋がきれいに片付いた。 何か適当に反応すればいいんだなくらいに捉えたメタグロスは、非常に気になっていたらしい(多分彼にとっては不愉快極まりなかったらしい)店内の杖を、あるべき場所に(杖と箱と収容的な意味で)きれいに片づけた。サイコキネシスで。 え、サイコキネシスってこんな効果あったっけ…?と私すらも首をかしげたくらいに。今まで見てきたメタグロスのサイコキネシスって自分が浮いたり相手を浮かしたり、攻撃したりくらいだったのだが。 そういえば私の部屋も私が散らかしても結構きれいな状態が保たれてるなーとは思っていたのだがこれはそういうことだったのだろうか。若干嫌な汗を流しつつ、メタグロスの方を見れば彼は非常に満足げにふんと鼻を鳴らして目を閉じた。うわ、私次にメタにどういう顔して会ったらいいのかワカラナイ。 「素晴らしい…!!!」 「!?」 メタグロスに意識を集中していたせいか突然ぐわしとつかまれた手にびくりと体がはねた。心臓がやばい音をたてている。なんか(ゴブリン的な意味で)ある種妖精のような顔をしたこの店員の顔が目の前に迫ると何か身体にとって危ないものを感じる。 店員は私が杖を振った結果なのかこの店の綺麗な状態になのかはよくわからないが非常に感動したらしく、私の手をぶんぶんと振って何かを伝えてくるのだが正直早すぎて何言っているのか聞き取れない。適当に頷いておけばスネイプが話をまとめてくれたらしく、気がつけば杖を抱えたまま呆然と店を出ていた。 ***** 120605 別に杖が発動したわけでも主人公にハリー的なすごい魔法使いフラグがたったわけでもないよ! これからこの杖は授業時以外はベッドの下とかにほこりにまみれて放置されます。宝の持ち腐れ bkm index ×
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