──夢を託してみたくなった。私が叶えることの出来なかった夢を。
名前も知らない中学の、名前も知らない選手。小さな体でずば抜けた身体能力はまるで、そう。かつての英雄、『小さな巨人』のようだった。淡い橙色をした髪は日に当たり太陽のように輝いていた。どうしよう、震えが止まらない。胸がこんなに興奮している。
私の足は試合が終わる前に駆け出していた。


「大地…先輩…っ」

「潤!?そんなに走ったら…!」

「私、烏野に行きます!」


彼が烏野に行く確証なんてない。でも信じてみたい。きっと彼なら来てくれる。


「バレー部のマネージャーします…!」


他なんて行くわけないよね?
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