私にはそりぁもう可愛くって、とても美人な友人がいる。クラスも別でなかなか会う機会がない彼女はみんなの子守りと言う名の部活ですごく忙しい。暇人の私には到底わからないけど。まぁ今すぐにでも会いたいのには変わりないのですぐに会いに行こう。
そうだ。手土産に彼女が好きな甘いものでも持って行こうか。





* * *





やっと放課後になった。今日って実は授業が1教科1時間あるんじゃないかってくらい長かった。そんな中唯一短かった昼休みのうちに体育館に一緒に行こうって話しておいたから物分かりのいい赤司くんと黒子くんはすぐに頷いてくれた。つくづくクラスメイトがこの2人でよかったと思う。


「きっと喜びますよ」

「あぁ、飛び付いてくるんじゃないか?」

「だといいけど」


なぜか赤司くんの手に渡ったそれを見て、2人にもあげるからねと言うととても嬉しそうに微笑んでくれたのでよしとしよう。


「こんにちはー」

「紅葉っちー!」

「ぐえっ」


なんだなんだ。いきなりゴールデンレトリバーが私のお腹目掛けてタックルして来たかと思えば、黄瀬くんか。毎度のことながら身長差と言うものを気にしてほしい。


「だ、大丈夫っスカ!?」

「これが大丈夫に見えたらお前は大馬鹿者なのだよ、黄瀬」


今度は緑間くんか。黄瀬くんを剥がしてくれたことには感謝するがみんなして寄って集らくていいよ。ほら、次のまっくろくろすけが来てしまったじゃないか。


「誰がまっくろくろすけだ!」

「ちょっと勝手に私の心読まないでよ、青峰くん」

「てめっ…、自分で言ってたくせに…!」


私ってば正直者だからつい出ちゃうんだごめんね!語尾に星が飛んじゃうように言うとなぜか青峰くんは黄瀬くんを殴っていた。気にしないでおこう。
それはともかく、私の目的はどこにいるんだろうか。辺りを見回すがどこにもいない。なのになぜか急に高くなった目線と肌に感じる違和感。この感じ久しぶりだなと懐かしがり首を直角に曲げると最後の君。


「離してよ紫原くん」

「えー」


子供がお前は。突っ込みたいのを我慢して彼女の捜索を再開。なんだかんだでこっちの方が探しやすくていいようだ。
ふと、体育館の扉が開けた音がして自然と見下ろすようになった目線が姿を捕らえた。


「おーい、さっちゃーん」

「!紅葉ちゃん!」


美しい桜と同じ色をした髪を揺らしてこっちに駆け寄って来てくれて、紫原くんも空気を読んでくれたのか地面についた足は当たり前と言うようにさっちゃんに近づき力いっぱい抱き締めた。
いい匂いがする。そう漏らしたさっちゃんに私お手製のザッハトルテを焼いてきたことを伝えると、黒子くんと赤司くんと同じようにとても嬉しそうに笑ってくれたのでたまにはこういうのもいいかなって思った。





















さぁ、ーティを始めようか







(部活終わったらみんなで食べようか。もちろんさっちゃんには1番おっきいのあげるね)

(紅葉ちゃん大好き!)

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