新学期が始まってはや1ヶ月がたった。前のクラスに比べて落ち着いた雰囲気なのでとても過ごしやすい。楽しんでいた静寂は勢いよく開けられた扉によっていとも簡単に破られた。


「紅葉っち紅葉っち紅葉っち!!!」

「黄瀬くんうるさい」

「紅葉っち、ヒドッ!」


そういいながらも私の席に近づいてくる私の友人黄瀬くんに周りの子たちは黄色い声をあげている。まぁ、確かにイケメン。キラキラオーラ満載だよ、キラッが似合いそうだよ。
黄瀬くんは私の机に顔をあげると盛大なため息をついた。いつものことだからって人の面前で盛大にため息をつくのはやめてほしい。気にしないけど。


「ハァ……」

「……………」

「ハァァァァ…………」

「……………………………」

「無視しないでほしいっス!」

「だからうるさいってば」


毎朝のことだ、どうせ青峰くんに1on1で負けたんだろう。というかなぜ毎回毎回私のところへ来るのか。元クラスメイトだからといって私はさっちゃんみたく男バスマネではないし、周りの女の子みたいに優しくなんてしない。(まぁ、それなりに可愛がってはいるが。)
第一、紫原くんが同じクラスなんだから紫原くんに慰めてもらえばいいんじゃ。そう告げると「あの人が慰めてくれると思うんスかー…?」と落ち込んだ。まぁ確かに。
視線を本に向けたまま黄瀬くんの頭をわしゃわしゃと撫で回す。黄瀬くんの頭を撫でるのは嫌いじゃない。むしろ気持ちよくて好きだ。


「まぁ、次頑張ればいいさ」

「紅葉っち…」


おや、なんだなんだ。肩を震わせ下を向いたかと思えば次の瞬間私に抱きついて来た。
女の子たちからの視線がいたい。そして倒れそうなんだが。


「もー、紅葉っち大好きっス!」

「はいはい、私もだから離して」

「嫌っス!」

「嫌じゃねーよ、嫌じゃ」


自分よりひとつ分以上高い頭を叩こうとしても届かない。くそ、でかいなこいつ。
半分諦めかけたとき、扉の向こうに見慣れた影。


「………毎朝大変ですね、紅葉さん」

「黄瀬、いい加減離してやれ」

「げっ!黒子っちに赤司っち!」


2人を見ると黄瀬くんはスイマセン!とすぐに離してくれた。傾いた体に黒子くんは手を貸してくれた。相変わらず紳士だなぁ。
とにかく助かった。さすがの黄瀬くんでも赤司くんには太刀打ちできないからね。


「ありがとう。黒子くん、赤司くん」

「いえ、どういたしまして」

「紅葉が無事でよかったよ」


黄瀬くんは少しうるさくて。黒子くんは相変わらず紳士で。赤司くんはとても甘い。
そんな毎朝の出来事。




















Good morning call!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -