「あぁ?赤司テメェいまなんつった!?」

灰崎は赤司のTシャツの襟元を掴むと
グイっと手元に引き寄せた。
一瞬苦しそうに顔を歪める赤司だったが
真っ直ぐに灰崎を睨みつけるとそのまま口を開いた。

「バスケ部を辞めろ。これは命令だ。」

逸らすことなく灰崎を見つめたまま赤司は言葉を続けた。

「お前は黄瀬には勝てない。
近い将来スタメンの座を奪われるだろう。
そうなればプライドの高いお前は結局いなくなる。
早いか遅いかどちらにせよ結果は変わらない。」

淀みなく紡がれた言葉は、灰崎のプライドを傷付けるのに充分だった。

「テメェ…」

殴りかかろうと、掴んでいた襟元をさらに引き寄せ
右手を振り上げると赤司の頬を殴った。
ゴッと鈍い音が部屋に響いた。
殴られた拍子に倒れ込んだ赤司は頬を抑えながら
真っ直ぐに灰崎を強い視線で睨みつけた。

口から血を垂らしながら睨みつけている赤司を見下ろす。
帝光のキャプテンとして君臨しているその男は
メンバーの中でも特に華奢な身体をしている。
赤い髪に隠れた瞳はいまだに光りを失わず
強い力で灰崎を見据えている。


その瞳を絶望に穢したい。
灰崎の中に黒い衝動が芽生えた。


一歩一歩赤司にゆっくりと近づくと
赤司は手をついて起き上がろうとしていた。
その手を強引に掴み、頭上へと持ち上げると
ニヤリと笑みを称え、赤司に顔を近付けた。

「プライドねぇ…。
お前みたいなプライドの高い奴を泣かせるのが楽しいんだよな」


そのまま床に押し倒すと、赤司の目が驚きで開いた。
その顔を堪能しながらゆっくりとした手つきで
赤司のTシャツに手を忍び込ませた。

「なにをしてる…!やめろっ…!」

意図する意味を理解したのか
押さえつけられた身体を捻りながら赤司が抵抗した。
必死に手足を動かす赤司を見下ろしながら
近くにあったタオルで赤司の両手を縛り上げた。

「んな抵抗してんなよ。気持ちいいことするだけだろ?
あぁ、でも赤司様は気持ちよすぎて泣いちゃうかもな〜」

ケラケラと笑いながら灰崎は赤司の頬を撫でた。
羞恥と怒りで赤く染まる赤司の頬は殴られたため少し腫れていた。
唇の端から垂れる血をぺろりと舐めると
さらに赤司の顔が染まった。

「やめろっ灰崎…!」

必死に抵抗を続ける赤司のTシャツを捲り上げた。
白い肌に浮かぶ小さな突起をさわりと撫で上げた。

「んっ…」

小さく吐息を漏らす赤司にニヤリと笑うと
少し強めに突起を爪で引っ掻いた。

「んあっ…ぁ、」

「あっは。赤司乳首で気持ちよくなっちゃってんの?女みてぇだなー」

灰崎の言葉に怒りと絶望で目が眩んだ。
睨みつけながら足を振り上げて灰崎を蹴ろうとするも
目ざとく気付いた灰崎にそのまま押さえ込まれてしまった。


「まだ抵抗してんの?そろそろ諦めろよ」

ペロリと舌舐めずりする灰崎が歪んで見えた。







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