あたたかな暖炉の傍らで私はホットミルクを啜る。なんだか物足りなくて、卓上のハチミツを拝借した。(もちろん許可をとってから!)たぷたぷ。白濁の中に蜜は瞬く間に沈んでいく。スプーンでくるくるかき回してから、もう一度啜ってみた。
ん、おいしい。
そんなどうでもいい一部始終を見つめていたレッドさんが、ふと口を開いた。
「コトネは甘党だ」
「えへ」
「俺も、甘いのほしいな」
「どうぞー」
のそのそと近づいてきたレッドさんに、マグカップを差し出す。が、それをものの見事にスルーして、(ん?)あっという間に私の唇を啄ばんだ。
sweeeet!
(欠かさず摂取しないと死んじゃうんだよ。虫歯だって本望だ)
「うん、あまい」
「……レッドさんのばか」