雑誌をぱらぱらめくるたびに、モデル達が魅惑的なスタイルを武器に微笑みかけてくる。大きな瞳にすらりと伸ばされた細い足、小さな顔。

(それに比べて私は、)

これから成長するにしても、絶対こんなスタイルにはなれまい。
神様にこの不平等さはなんなのかと全力で抗議したい。こんなにも可愛かったのなら、想い人だってきっと私にときめいてくれるに違いないのに。

「はあ……」
「どうしたの」
「、え」

頭上から大好きな声が注がれて、慌てて見上げた。いつからそこに、なんてベターな質問はあえてしない。気配を消すなんて、彼の得意技だ。相変わらず慣れないけれど。


「……私もこうなりたいなあって」
「……」
「やっぱりレッドさんも、こんな綺麗な人が好き、ですよね」

紙面に立ち並ぶモデル達を無言で見つめるレッドさんに、ぽつり呟く。頑張って笑ってみたりしたけれど、引きつってるに違いない。随分自虐的な発言をしてしまったものだ。


ふと首を傾げたレッドさんは、私の頭をぽんぽんと撫でた。

「コトネはコトネ」
「そりゃ、そうですけど」
「こんな風になったら」
「……なったら?」
「……ちょっと困る」

眉を寄せ本気で顔をしかめた彼に、私は思わず吹き出してしまうのだった。
(なんてかわいい人だろう。なんて、優しい人だろう。)


CUTIE



つまりは、ありのままのコトネが一番かわいいってこと。

(さあ、どう言えば伝わるのかな、)

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