3、2、1。
レッドさんのベッドに、少しの罪悪感を噛み締めながらも、思い切って身を投げ出した。ぽすん。軽く跳ね返され、そしてゆっくり沈んでいく。よく知る優しい匂いに包まれて、なんともいえない安心感と脱力感に襲われた。
「ちょっとくらい、いいよね」
レッドさん今お風呂中だし!
そんな言い訳を味方につけて、私は意識を手放した。(願わくば、このベッドの持ち主の夢がみれますように!)
夢の世界の出来事なんて一瞬で忘れた。
どれくらい眠ったのだろう。私は極度の緊張でかちこちに凍っていた。誰かなんとかして!なんて涙目で見上げたそこには、レッドさんの安らかな寝顔。
(……なんで私抱きしめられてるの!)
まさかの抱き枕扱いに驚愕しながら、男性にしてはしなやかな腕の中で小さくなる。鼻を擽るシャンプーの香り、腰にまわされた手。ああもう恥ずかくて死にそうだ。
(勝手にベッド使っちゃって、怒らなかったかなあ)
私の心配を余所に、くうくう可愛い寝息をたてる恋人にため息が零れた。
お詫びとして、今晩は立派に抱き枕としてのお勤めを果たすことにしようか。
快眠を犠牲に!
ずいぶんと長い夜になりそうです。