※未来設定
僕らはだいぶ大人になったと思う。あの頃とは違って、抱きしめるにも口づけるにも、変にそわそわした緊張感はなくなった。あの甘酸っぱい思春期特有の雰囲気も、今思えばなかなか楽しいものだったのかもしれないけど。でもやはり、触れたい時に触れられるこの繋がり方が一番気に入っている。
「ジュン、」
「なにー」
「キスしようか」
ソファに気怠そうに寝転がっていたヒカリが、平然とスキンシップのお誘いをした。昔はこんなこと、恥ずかしくてとても言えないようなやつだったんだけど、なんて思う。
だけど、俺を求めてくれるってのはあの日から変わらない。ん、ありがたい。
「でもお前、いつ恥じらい捨てたんだろ」
「なによう!」
頬を膨らませるヒカリに半ば呆れながらも、そっとキスした。満足げに笑う顔に、ふわり昔の面影が重なる。
「大好きだから素直になれるのよ、ばかジュン」
natural
ああ全く、可愛くて可愛くて仕方がないってことぐらいは未来永劫変わりそうもありません。