いつからか、ジュンの背丈は私を追い越した。いつからか、ジュンの歩幅は私のそれの倍になった。いつからか、ジュンの掌は私より一回り大きくなっていた。(おまけになんだか少しだけごつごつしてる)

「昔は私のが、身長高かったのに」
「そう言われても」

不服そうに頬を膨らませる私に、ジュンは半ば呆れた様子で笑った。


「男子なめんなってーの」


そう言って勇ましげに胸を張ると、そこに私を乱暴に抱き寄せた。突然の衝撃にバランスを崩す私をそっと支えてくれる。
ああ、歩幅や掌だけじゃない。昔からふざけて抱きついたりもしてたけど、こんなにこいつの胸は広くなかったよ、



jeune homme



変わらないのは、草の匂いとそのぬくもりくらい。



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