your voice

「おし、いいぜ。なまえ、ジン呼び出せよ」

『はい』


銀蠍塔に到着すると、ヤムライハさんとマスルールさんは隅っこに腰をかけた。
わたしが金属器を使うのを見るだけのつもりなんだろう。
けれどシャルさんはわたしの正面に立って剣を抜いたので、このまま手合わせする気なのかもしれない。
流石に、眷属器すら発動していない彼相手に金属器で戦うなんてことはできないから、その辺は後で考えるとして。
いまは、ヤムライハさんにシトリーの能力を見せる時だ。
鞘から日本刀を、右手でそっと抜いた。
その切っ先を見つめれば、脳内にシトリーの声が響く。


『……渇愛と羨望の精霊よ…』


渇愛、喉が渇いて水を欲するように。
わたしは愛を求めている。

羨望、たまらなく羨ましい、誰かに愛される、わたし以外の誰かが。


『汝と汝の眷属に命ず。我が魔力を糧として、我が意志に大いなる力を与えよ…』


淡く銀色に光りを放つ時雨、その切っ先の八芒星を見つめる。


『出でよ、シトリー!!』


カッ!!


時雨が眩く発光すると、空気中から集めた水分が水となり、空へ大きな柱のように勢いよく伸びた。
しかし、その水の柱はいつもより細く見える。
あまり空気中に水分がないのかもしれない、そう思いながら、水の柱を変形させ、腕へと武器化させた。
グルグルと時雨を覆った水が、ぴたりとわたしの腕と刀に定着し、薄く膜を張ったのだ。

とりあえず一部だけ魔装してみたけれど、と思いながら、離れたところに座っているヤムライハさんに目をやった。
彼女は少し目を見開いてわたしを見ていたけれど、すぐに考えるようなそぶりを見せ、口を開く。


「貴方の場合、金属器は形を変えないのね?普通、武器化魔装をすると武器はジンの持つ武器そのものの姿になるはずだけれど…」

『あ、はい。シトリーの武器も長剣らしくて、でもわたしこの刀でしか思い通りには戦えないんで…とか思ってたら、こんな感じに』

「まあ、武器化しているのならば問題はないんでしょうね。全身魔装は出来るの?」

『はい』

「良ければ、見せてくれるかしら」


ヤムライハさんがそう言って笑う。
まあ魔装すると魔力が消耗するけれど、特に問題もない。
時雨を右手に握ったまま、生み出した水で身体を覆うイメージをした。


『渇愛と羨望の精霊よ…汝に命ず。我が身に纏え、我が身に宿れ…』

「……………」

『我が身を大いなる魔神と化せ、シトリー』


ズズ、と、勢いよくわたしの身体がシトリーの能力である水に覆われた。
そこから、わたしの服や姿が変化していく。
魔装すると、金属器使いの姿は、契約したジンそのものの姿に近くなるのだ。
わたしのジンであるシトリーは、人間の男のような姿。
けれど、わたしが男っぽくなることはない。
全身がシトリーのように変化するだけで、一番目に見えて大きく変化するのは、この黒い髪が白銀になり、腰までの長さが足首まで伸びる点くらいだろう。
それと瞳の色も桃色に変わる。
加えて、シトリーは身体や顔を覆うように、何かの紋章のような黒いタトゥーみたいなのが入っているので、わたしの身体も黒い紋章に覆われるのだ。

つまり女版シトリー、みたいな感じになる。
魔装し終え、水に覆われたままヤムライハさんを見ると、彼女は目を輝かせてわたしを見ていた。
シャルさんも同じように。
マスルールはいつもの真顔で。


「すっ、すごいわ!貴方すごく綺麗!いや普段も美人だけど、ああ、なんだか今のあなた、すごく……綺麗!!」

「おおお、お前すげえな!!王サマ以外の魔装ってあんま見たことねーけど、すげーなァ!!なまえは魔装すっと髪の毛銀色になんだな、で、顔とか腕に浮かび上がってるそれ、なんだ?!なんかの紋章か!?」


テンションが急上昇したらしいシャルさんとヤムライハさんが駆け寄ってきたと思ったら、わたしの全身をベタベタ触り始めた。
その勢いと、二人の輝く瞳にぞっとする。
師匠の前以外で魔装して見せたのは初めてだけど、え、こんな反応されるの?
こんなベタベタ触られるもんなの?
なんかすごい恥ずかしいし、不快だ!


「ああ〜、綺麗ねぇ、肌に浮かび上がってる紋章も綺麗、髪も白銀で…あら、目は桃色になるのね!ああ、すごいわぁ、研究してみたいわ…!」

「なぁ、そのまま手合わせしようぜ!」

『ちょ、待って、ちょ…っ!』

「!」

「あらぁ、なんで解いちゃうの〜?」


変わらずベタベタと触り続けてくる二人に、思わず魔装を解いた。
時雨だけが銀色に光り続けている。
魔装するたびにこんな目に遭うんじゃたまったもんじゃない、これからは必要に駆られたとき以外はあまりしないようにしよう。
そう決めて、残念そうに肩を落とすシャルさんとヤムライハさんに苦笑いを返した。


「…先輩、手合わせするんじゃなかったんスか」

「あ?あー、そーだったな!!」

「そいつの気が変わらない内にしたらどうスか」

『なに、人を気まぐれな奴みたいに…』

「気まぐれなんじゃないのか。お前、いきなり怒ったり泣いたり照れたり笑ったりするだろ」

「それは、マスルールくんが気づかないうちになまえを怒らせたり恥ずかしいことしたりしてるからじゃない…?」

「はあ…。そうなんスか」

『こいつ、人の裸眺めては、”胸が小さい”とかサラシ巻いてなかったら”いつもより胸がでかい”とかケツがどうのとか言ってくるんですよ。今日なんて背中の古傷突ついてくるし…』

「はあっ!?おま、女になんてことしてんだよ!?」

「そうね、それはマスルールくんが悪いわ」

「お前にはデリカシーってもんがねぇのか?なまえがかわいそーだろうが!」

「でもコイツ嫌がんないっスよ」

『嫌がってるよ。マスルールが気付いてくれないだけで』

「おい、放っとくとそのうちコイツお前のこと襲うぞ?今の内にガツンと言っといた方がいいぜ」


マスルールがやっと喋ったと思ったら、今度は話が脱線した。
マスルールがわたしを気まぐれみたいに言うからだ。
けれど、シャルさんとヤムライハさんにはきちんと事の真相が伝わったので構わない。
マスルールの無神経さが浮き彫りになったところで、当然のようにシャルさんが肩を組んでそう言ってきた。
シャルさんに指を差される先では、マスルールが真顔のままわたしを見下ろしている。
きっとマスルールはそんなことはしない、と分かっているので、さりげなくシャルさんの腕から脱出して、出しっ放しだった時雨を鞘に収めた。


『まあ、マスルールはわたしのことおちょくってるだけなんで…変なことはしないと思います』

「ホントかよ、コイツのことだぜ?どうせそのうち、着替え眺めてる内にムラムラしたとか言って襲いかかるのが関の山だぜ」

「先輩はこいつにムラムラするんスか。すごいですね」

『……………』

「おい、それはお前どーいう意味だ?なまえに失礼だろうが、謝れ!つーかそーいうことになりゃ、なまえにムラムラすんのは普通だろ?美人だしよォ」

「はあ。でも胸が…」

「だァから胸はどーでもいんだよ!女は胸じゃねェ!!お前もよ、もしなまえが色っぽく誘ってきたらムラムラすんだろうが!?しなかったらお前アレだよ、インポだよ」

「インポじゃないっスけど…」

「なに、マスルールお前、マジでなまえにその気起きねェの?」

「…まあ、怒った顔はわりと」

「え、なまえの怒った顔にムラムラすんの?」

『…あの、ムラムラとかホントどーでもいいし、むしろして欲しくないんで、手合わせしましょうよ、シャルさん』


この男二人は、目の前で自分にムラムラするかの談義を聞かされてわたしがどう思うかとか、考えないんだろうか。
さっきマスルールにデリカシーが無いと怒ってくれたシャルさんだけど、彼も十分デリカシーが無いと感じた。
なんなんだこいつらは、わたしの目の前でわたしにムラムラするだのムラムラしないだのと。
苛立つ気持ちを抑えながらシャルさんにそう言えば、ヤムライハさんにかわいそうなものを見る目で見つめられた。
そんな目で見ないでほしい。


「あ、悪ィ、お前の前だって忘れてた」

『いいですけど、ムラムラしないでください不快なので』

「えっ、怖っ!不快ってお前…アレ、もしかして怒ってんの!?」

『いいえ?さ、剣をどうぞ』

「怒ってんじゃん……」

「じゃあなまえ、水魔法についての話は今度でいいかしら?」

『はい、今度聞きに行きます』


シャルさんの剣を指差しながら言うと、彼はやっとその手に剣を取った。
わたしも時雨を抜く。
笑いながら話しかけてきたヤムライハさんにそう返してから、ふと、隣に立っているマスルールの視線に気付いて顔を上げると、よくわからない顔で見下ろされた。
いや、よくわからないとは言っても、普段通りのムスッとした顔なんだけど。
何を考えているのか、全く読めない。

まあ、そんなことはどうだっていいので、正面で剣を構えるシャルさんに目を移した。
シンさんが、自分よりも剣の腕が良い、と言っていた男だ。
負けたくないな、そう思いながら、ニッと笑うシャルさんを見つめた。


「んなら、始めっか。とりあえず、金属器と眷属器の発動はナシな」

『はい』

「んじゃ…行くぜ!!」


ガッと斬りかかってきたシャルさんに、時雨を両手で握った。
強い太刀筋を、時雨の刀身に掠らせ軌道を逸らす。
ガキ、と鉄同士がぶつかる音が辺りに響いた。
ガガガ、と音を立てながら、時雨の刀身にシャルさんの剣を滑らせていき、最後、彼の手を弾くようにして、時雨を真上に振り上げる。
叩き上げたシャルさんの剣は、少し浮いたけれどわたしの力が鍛えた男に敵うはずもなく、彼はすぐさま斬りかかってきた。
それを適当に時雨を当てて避けながら、地面を踏み込んで空中にジャンプする。
タン、と軽い音を残して飛んだわたしを、驚いたように目で追うシャルさんの頭上で、時雨を強く構えた。

わたしは剣術なんか知らない。
刀の構え方くらいしか習ったことはない。
こうして身に付いているのは、戦争で嫌でも覚えた、人を殺す剣だ。
天人相手に、確実に殺すため、自分の命と大事なものを護るため、この手に覚えたそれ。

地面に足をつけ、シャルさんの背後で刀を振る。
振り返ったシャルさんの剣にぶつけながら、刀を振り抜いた。

確実に、相手の心臓を貫く。
確実に、相手の首を切り落とす。
確実に、相手の腹を裂く。
そんな、綺麗とは言えないわたしの太刀筋に、シャルさんは額に汗を滲ませる。
ああ、あの顔を知っている。
わたしに殺される、そう脳裏に浮かんだ瞬間の、わたしが殺す相手の顔だ。


「お前…なんでそんな、強ぇんだよ…!見たことねぇぞ、そんな剣術!」


ガツン、と、わたしの太刀筋を防ぐばかりのシャルさんが呟く。
その刀が一瞬、ぶれたのを見て、わたしは強く時雨を振り上げた。


『わたしのこれは、剣術じゃなくて…命を奪う、太刀だからです』


カツン、わたしの後ろで、シャルさんの剣が地面へと落下した。
わたしが振り上げた時雨の切っ先にぶつかった彼の剣は彼の手から離れ、空中へと飛んだのだ。
手が痺れただろう、怯んだシャルさんの首に、素早く反転させた時雨の峰を押し付ける。
これが実践ならば、1秒後には彼の首は、彼の剣と同じように地面に落ちている。
目を開いたまま、死んでいた。

あっけに取られ、呆然とわたしを見るシャルさんの首から刀を離し、くるりと手の中で反転させてから、ゆっくり刀身を鞘に収めた。


『わたしの勝ちですね。手合わせありがとうございました』


薄く笑いながらそう言えば、シャルさんは悔しそうに顔を歪めた。
滅多に負けたことなんてなかったんだろう。
でも、わたしだって、少し悔しい。
こんなに苦戦するとは思わなかったから。
確かに勝つ事はできたけれど、途中押されたのも事実、力だけではかなわないのもまた、事実。
男に力で敵うはずがないと、諦めたときに見つけ、身につけたのが、手先のテクニックだ。
細かい技を重ねることで、わたしは力を越えられた。
けれど、刀がなければ、わたしは無力。
力の壁はどんなことがあれど越えられないのだ。
何度、男に生まれていればと嘆いたことか。
でも、そのおかげで、剣の腕だけならば、このシンドリア屈指の剣の腕を持つ男にも勝利した。
女でよかった、なんて思わないけれど、力がない分、それを何かで補わなければならないと再確認できた。

剣を拾ったシャルさんが、ふっと笑顔を浮かべる。
それを見ながら、わたしももう一度、笑って見せた。


「なんだよ…お前、すっげぇ強いんだなァ…正直、舐めてたよお前のこと。悪かった」

『まあ…女だしチビだし、舐められ慣れてるんで、いいですよ』

「今回は負けちまったけど……」

『…………』

「…次は、絶対に俺が勝つ!覚えてろよ、なまえ!!」


そう笑って宣言したシャルさんに、わたしも笑って頷いた。
きっとプライドが傷ついただろうに、気丈に振る舞ってくれるなんて、いい人だ。
視界の端で、ヤムライハさんがこっちに駆けてくるのが見えた。
振り返れば、キラキラした目でわたしを見ている。


「おめでとうなまえ、あなたそんな小さくて筋肉もないのに、すごいのね!」

『え、ありがとうございます』

「素早くてしなかやかで…剣に興味はないけど、惚れ惚れしちゃった!!それにシャルルカンが負けるとこなんて初めて見たから、スッキリしたわ!」

「はあ…?おい、どーいうことだそりゃ…ババァ、てめぇやんのか…?」

「うるさいわね、黙ってなさいよ負けたくせに!!」

「う…っ!うっせーんだよ、次は勝つからいいんだよバーカ!!」

「ハン、あんたなんか次も負けるに決まってるわ」

「そんなんやってみねーとわかんねーだろうが!!」


また始まった2人の口喧嘩に、引きながらゆっくり後ずさる。
そばにいれば巻き添えを食らって面倒なことになりかねないからだ。
じりじり後ずさってシャルさんとヤムライハさんから距離をとっていると、とん、と、背中が誰かにぶつかった。
振り返れば、すぐ後ろに見慣れた金色の鎧が見えて、ぶつかったのはマスルールだと気付く。

マスルールはじっとわたしを見下ろしながら、ゆっくりと手を近付けてきた。
その大きな手を目で追っていると、マスルールは指先で、わたしの左頬を撫でる。
何、と思ったけれど、撫でられたそこが、ぴりっと痛んだので、怪我でもしてるんだと理解した。


「切れてるぞ」

『…ああ…シャルさんの剣が当たった…ような気がする』

「…血が出てる」

『そんなに痛くないし、大したことないでしょ?』

「傷は浅い」


わたしの頬が切れていて、血が出ている、というのは分かったのに、マスルールは頬を撫でる手を止めない。
ぴりぴりと痛むし、きっとばい菌が入って治りにくくなるというのに、何故撫で続けるのか。
マスルールの指で塗り広げられてるだろう血も、そのせいでまだ止まっていないだろう。


『ねぇ、何してんの。痛いよ』

「……………」

『痛いって。いじったら治り悪くなるでしょ』

「……………」

『ねぇってば、マスルール、痛いって』

「あ、悪い」


ぐりぐり傷を指先で押していたマスルールは、はっとした顔をして、やっとわたしの頬から手を離した。
その指には案の定、わたしの血がついている。
なにを人の傷を弄りながらぼーっとしてくれてるんだ、と思いながらマスルールを見上げれば、真顔の赤い目と視線が絡んだ。
マスルールは、少し黙ったままでいると、唐突にわたしの腕を掴み、くるりと身を翻した。
そのまま、ずかずかとどこかへ歩いていく。
腕を掴まれているので、自然とわたしも歩くことになり、自分の意思とは関係なく、どこかへ連れて行かれているようだ。


『…ねぇ、どこ行くの?』

「手当てだ」

『え、いいよ別に…放っとけば治るよ、こんなの』

「いいから来い」

『…………』


わたしの腕を掴んだまま、頬の刀傷の手合てをしてくれるために建物の中へと歩いていくマスルールの背中を見上げる。
もしかして、わたしが女だから、顔に傷跡が残らないように、とか、優しいことでも考えてるんだろうか。
人の着替えを眺めたりする、デリカシーのないこの男が?
おかしくなって小さく笑うと、マスルールは真顔のままわたしを振り返った。


『なんでもない…ありがとう』

「別にいい」


可愛いところもあるのかな、なんて思いながら、仕方ないので腕を引かれるまま、マスルールについて行った。


「……アイツら、完全に俺らのこと忘れてるよな…?」

「いいじゃない別に。それより、見た?マスルールくんのアレ、なまえの頬っぺた撫でてたわよ」

「あぁ見た見た、アレ…ビビるよな、女の子の居る店連れてってもいっつも興味なさそーにブスッと酒飲んでるだけのマスルールが…女に興味ねぇ訳じゃなかったんだな…」

「なまえには興味あるってことじゃないの?着替えてるの見つめてるって言ってたし……やっぱ、そーいうことなのかしら」

「…そーだろ。どー見てもそーだろ。アイツ、俺がなまえにベタベタしてるとジトッとした目で見つめてくるし…いちいちちょっかいだしてるみてーだし…案外分かりやすいよな」

「そうね、非番の日はいつもどっかで昼寝してるのに、今日はなまえに付き合ってたみたいだし…応援してあげなくちゃ」

「でもなまえの方はよくわかんねーぜ、感情薄めだしよォ…何考えてんのかさっぱり」

「でも、同い年だからかマスルールくんには気を許してる感じしない?それとも誰にでもああなのかしら?」

「さあな…まあ、マスルールが女1人に振り回されたりしてんの見れるんなら、協力してやらねーこともねぇな。面白そうだし」

「見れるでしょ。さっきだって、アンタたちがムラムラするしないで口喧嘩してなまえが不機嫌になったとき、マスルールくん、自分でもよくわかってないんだろうけど、なんかムズムズしてそうな顔してたもの」

「アイツ、なまえの怒った顔に興奮するとか言ってたのマジなのかよ…」

「興奮っていうか…まあ単に、好きなんじゃないの、なまえの怒った顔が」


わたしたちが去った銀蠍塔で、シャルさんとヤムライハさんがそんな会話を交わしていたのなんて、わたしには知る由もなかった。

×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -