<1時過ぎには家帰ってるから>
<それ以降なら何時でもいい>


と、研磨から返信が来た。
明日の土曜日、何時に研磨んちに行けばいいのかラインで尋ねたのだ。
1時過ぎ以降なら何時でもいい、ってちょっと悩むな。
2時ぐらいが妥当だろうか、そう思いながら、スマホをフリックする。


<じゃー2時と3時の間に行く>


とだけ返信して、ケーキのレシピの載っている雑誌をぺらりと捲る。
ちなみに今わたしは自分の家の自分の部屋の自分のベッドの上に仰向けに寝そべって雑誌を読んでいて、時間は夜の10時過ぎだ。
もうすぐ金曜日が終わる。
一週間ってなんか早いなーと思いながら、床に置いている麦茶を飲んだ。
さっきまで、といっても夜8時くらいまでだけど、リツコの家に遊びに行っていた。
そこでいつものメンバーでだらだらして、リツコんちにユカを残してわたしだけ帰ってきたのだ。
ほんとは学校から直帰する予定だったのに、ユカとリツコに無理やり連れて行かれた。

おいしそうなお菓子の写真を見ながら、ぺらぺら雑誌のページを捲る。
ポコ、と、傍のスマホが鳴った。


<りょーかい>


とだけ、研磨から返信が来た。
もう話すこともないので、やりとりの終わりの挨拶代わりにスタンプを一つ送った。
某青い猫型ロボットのスタンプである。
すぐに研磨からもスタンプが帰ってきたので、それ以上は返信せずにトーク画面を閉じた。

さて、明日は何を作ろうか。
手元のお菓子のレシピ本を見ながら考える。
研磨んちにお土産として持っていくお菓子を、どうせ昼の1時とかまで暇なので明日焼こうと思っているのだ。
研磨はアップルパイが好きらしいけど、アップルパイは来週の部活の後あげるって約束したので却下。
わたしの好みでいくとチョコ系が好きだけど研磨はよくわからないので却下。
となると定番のプレーン方向で、シフォンケーキかパウンドケーキか。
クッキーとかカップケーキでもいいけど、型抜きとか面倒だ。
うーん、と悩みながら、とりあえずページをぺらぺらめくっていく。
早く漫画の続き読みたいな、と思いながら、紙袋に詰めた研磨の漫画に目をやった。


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