『ああー…暑い……』
夏ってこんなに暑かったっけ。
太陽に焼きまくられてどろっどろに溶けてしまいそうだ。
しかも加えて今いる体育館は、室内、しかも運動している奴が大勢いるせいでむしむししてサウナ状態。
あついあついと呟きながらもせっせとドリンクを作った。
そんなとき鉄朗の「んじゃー休憩すっかー」という声が聞こえたので作ったばかりのドリンクを持って行く。
ぞろぞろと集まってきた部員たちは熱を持っていてその上汗臭い。
まあ仕方ない。
ドリンクを配り終え、さっき運んできた簡易のベンチに座っている鉄朗の膝に座った。
「ちょ、なまえ、暑い」
『んー汗くさーい』
笑いながらそう言えば後ろから頭を叩かれる。
他の部員からのじめっとした視線を無視してそのまま鉄朗にもたれる。
密着した背中が更に温度を上げた。
『ねー部活切り上げてさあ、みんなでかき氷食べに行こー』
「いや部活はするに決まってんだろ。かき氷は置いといて」
『じゃあ鉄朗帰り奢ってよ』
「あー?考えといてやる」
『絶対ね?』
「約束はできかねる」
『えーなんでよケチーねーてーつーー』
「あーはいはい、わかりましたよ。このわがまま女」
うひゃーやったあ。
これで今日もサウナ部を乗り切れる。
がんばれる。
そろそろ休憩終わりだと言うので鉄朗の膝からおりると研磨が呆れた顔してあたしを見ていた。