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 日はとっくに沈み、辺りには星や月の光のみが視界の頼りになっている。
「………よしっ」
 木葉が風でかさかさと立てる音にまぎれ、草むらから声がした。
声は幼く、そして落着きを感じる声色。
さらにがさがさと草むらをかき分ける音が響く。
「今日の分はこれぐらいでいいか…」
声の主は立ち上がり姿を現した。
黒い服に黒い髪、それに対し金色の瞳はどこか黒猫を思わせる。
そして腕には木の実や野草などが抱えられていた。
少年は踵をかえすと森のさらに奥へと歩き出す。
「果実…野草…今日はいつもより豪華だなぁ…」
 嬉しそうに周りを見渡す彼の目の前に
がささっ 「…!!」
 何かが現れた。人間ほどの大きさだ。
警戒しゆっくりと近づいてみるとやはり人間だという事が分かった。
「女の人…………?」
綺麗な金色の髪、整った顔立ちに華奢な体。男物のコートを羽織っていた。
「………………」
これが少年に起こる運命の始まり。


――これから話すのは人と人との繋がりの話

この話を聞いて知って欲しい

この世界にはたくさんのコトが起こり

たくさんの可能性を秘めている事を。

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