あれま。またよ。

合鍵を回してドアを開ければ、並ぶ革靴。薄汚れ傷んだ大きな革靴とおろしたてのように綺麗な小さな黒い革靴がそろえてある。
この後の展開なんか経験からして、簡単に予想がつく。

一歩室内に踏み入れば、聞こえるのは断続的な軋む音と紛れもない喘ぎ声。

ほら、大正解。

「も、あっ…ゆ、や…あっんっ、んっ」


最初は女の子が相手だったんだ。
まだ、あの頃は俺も可愛いもんで雄哉の行動に少しだけショックをうけた。もちろん、女の子とヤリたいのもすごくわかるけどね。女の子しかないものってあるし。少しでも雄哉の求めてるものに近づきたくて、ボディクリーム塗ったりした時も一瞬だけあった。
雄哉は、女の子とセックスした後、必ずすぐに俺を呼びつけて残り香がする部屋でぬくもりが残るベッドでセックスをした。いくら拒否しようが力に物を言わせてベッドに押さえつけ、射精させられた。むしろ拒否をすれば、雄哉は喜んだようににやにやと嫌な笑みを浮かべた。
嫌ならいかなければいいのに、それをやめなかったのは、この笑みが多分、すごく好きだったんだと思う。

こんな日常に不毛さも感じて、「そろそろやめろ。俺と別れるか女の子たちをきるか、選べ」そう告げるとやつは俺の目の前で携帯を真っ二つに折った。折った携帯を放り投げると俺に擦り寄って謝った。そんな雄哉が可愛くてその日は騎乗位のサービスまでしてやった。

まあ、この時俺に言葉が足りなかったのよ。女の子って言ったから、雄哉は今度は男の子を連れてくるようになった。
よくそんなに男の子がつかまるな、と思ったけど、雄哉が通ってるのは男子校で、それ狙いであの高校を選んだのだろうか。




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