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「あっ、あんっ、んんっ」

雄哉の匂いでいっぱいの部屋で、きっと昨日、こうなる予定だったはずの綾ちゃん。
予定と違うのは、相手が俺だということだけ。

俺はすごく興奮していた。
雄哉の部屋で、雄哉のことが好きでしょうがない子を、俺が犯しているということが。背徳感に背筋が震える。

ああ、雄哉にこの事実を伝えたらどんな反応するかな。
怒る?殴られるかな。そんな暴力的な雄哉見たことないから、想像つかないわ。それともすごい悲惨なセックスされるかな。それもそれで経験してみたいかも。これはダメだ。俺が喜ぶだけだから。
もしかしたら、三人でっていうのも有りだなあ。俺が綾ちゃんにいれて、雄哉が俺にいれる。うわあ、すごい気持ちよさそう。やりたい。それ、すごくやりたい。

でも、綾ちゃんはダメだ。秘密って約束しちゃったから。

ふいに綾ちゃんの腿を掴んでいた手の甲に爪をたてられた。

「もう…ぼく…っんあ、あっ」

多分さっきとは違う涙を流しながら、綾ちゃんは身体をくねらせながら喘いでいた。
はいはい、と綾ちゃんの身体をおこして抱き締めてあげる。綾ちゃんはほっとしたように抱きついてくる。そして対面座位で律動を再開すると背中に回っている手に力が入れられた。

「いやっ、やっ、きみく、んっあ」

いやだいやだというから、何がいやなの?と聞くとこわいと返ってきた。昨日もそうだった。強すぎる快感が怖いんだ。あー、かわいい。もっといじめたくなっちゃう。
ごりごりと綾ちゃんのイイトコロを俺の先端で押し潰す。さらに身体を密着させてくっつく綾ちゃんは幼子のようだった。
そうして俺たちは果てた。荒い呼吸音と青臭さが部屋に広がる。雄哉の匂いが青臭さで潰れてゆく感覚にまたも興奮した。
くたりとした綾ちゃんから引き抜いて、抱き抱えたままベッドに向かう。そっとベッドにおろして、また同じ動作を繰り返す。
綾ちゃんはさっきよりも抵抗したが、その理由はわかっていた。だってそのためにここに移したんだ。
雄哉の匂いがより、直接的に鼻腔をくすぐるのだ。さっきまで寝ていたのは、俺なんだけどね。
抵抗するわりには、感度が良かった。綾ちゃんも俺とは少し違うかもしれないけど似たような背徳感を感じているのだろう。





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