REVOLVE! | ナノ
「おはよー銀時」

「おー」


珍しく、いつもの5人の中で一番に教室に着いた。俺が教室に入ると、すぐに美月が入って来た。目が完全に開いていないし、声に覇気がない。まだ半分寝てるみたいだ。コイツはいつもこんな調子。朝が弱いのは昔からだ。


「お、おはよー晋助、コタ」

「おう」

「おはよう、美月」


教室の後ろのドアから入ってきた高杉とヅラともじゃもじゃ。(人のこといえないか、いやあいつよりはまだマシだ)


「珍しいな、お前らが一緒に来るなんて」

「下で会っただけだ」

「俺の方が、晋助と辰馬よりちょっと早かったぞ、」

「何の対抗だよ」

「美月は今日も可愛いのー」

「はいはいどーも」


全員揃った所でガタガタと席に座る。美月は窓側の後ろから2番目の席。隣はヅラで、美月の前はもじゃもじゃ。美月の後ろは高杉、ヅラの後ろは俺。一番後ろの席。

いつものメンバー。中学から、この5人で居る事が多い。


「ねえ、帰っていい?保健室で寝てきていい?」

「ダメだ、ちゃんと授業を受けろ」

「コタのケチ…」


美月とヅラは幼馴染で、ヅラは全員と幼馴染。ちょっとややこしい。ヅラと俺達は幼稚園から一緒で、美月とヅラはそれ以前からの知り合いらしい。つまり、美月だけが違う幼稚園だ。美月は小学校に入学する直前、どこかへ引っ越したらしい。小学校で出会うはずだった俺たちと美月の初めましては、先延ばしになったってことだ。

中学入学前に戻ってきた美月を、ヅラは俺達に紹介した。知り合いが少ないから仲良くやってくれ、と。美月は相変わらずの調子で、「まあ、そういうことで」とへらりと笑った。それが、俺たちと美月の出会い。


「何笑ってんだ」

「いや?ちょっと思い出して」

「思い出し笑いする人ってやらしいって言うよね。銀時やらしー」

「褒め言葉?それ褒め言葉だよね?」

「何この人きもい」


美月とヅラは仲がいい。何かこう、兄妹のような。自由奔放で我侭な美月は、ヅラの言う事なら比較的聞く。


「出席取るぞー」


担任の声が響く中、美月が頬を机につけた。寝る気満々だ、出席取るって言ったばっかだろ。
こうやって、いつものように1日が始まる。



【1:ぐっもーにん】


いつも同じ。
だけど飽きない毎日!




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