(この人本当に気づいてないのか??)
古市は呆れながら邦枝を見ていた
古市が邦枝からの相談を何度も聞かされてから学んだことは、放っておくとどんどん悪いように考えてしまうのだ
古市が邦枝を慰めようと手をのばそうとした瞬間
机がふっとんだ
あまりに突然のことで古市も邦枝も固まってしまった
机を吹っ飛ばした張本人――男鹿は邦枝の方を少し見るとただ「帰るぞ」とだけ言うとさっさと廊下に出てしまった
男鹿が廊下に出ると邦枝も慌て鞄を掴むと、男鹿を追いかけて行った
廊下に出る時に「古市くん、ごめんね!!」の一言は忘れずにして行った
1人教室に残った古市は大きなため息をつくと一言ボソリと呟いた
「リア充、滅びろ!!」
痴話喧嘩は誰も聞かない