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俺にだけ笑顔をください

Dear 氷華様
9000hitお祝い
From 凪響

今吉恋人







『諏佐くーん』
パタパタと走りよってなにか話をしている千愛
手には参考書
それを渡しているところからして借りていたのだろうか
少し話をしているようで
時々笑顔になる千愛
その顔が大好きだが
それを向けているのが自分じゃなくて諏佐というところが問題だ
もやもやと黒いものが渦巻く

(あーアカン
イライラするわ…)
昔からの付き合いとはいえ
自分の彼女が他の男と仲良くしている姿を快く思える人間もそう多くない
ムスーっとしていると気づいたらしい諏佐が苦笑いしている
それから千愛になにか言っている
くるりと振り向いた千愛と目が合う

にっこりと微笑みこちらに向かって走りよってくる千愛
そのままぎゅっと抱きついてきた
『翔一嫉妬してたの?』
にまにまと笑う千愛
「…そらするやろ…千愛はワシの彼女やろ?」
『ふふ、そうだね
でも大丈夫よ?絶対浮気なんてしないからーっ』
ぎゅーっとさらに強く抱き締める
「…千愛…」
ぎゅっと抱き締め返す
『好きだよ』
まっすぐ見上げてきて微笑む千愛
頬に手を添え顔を近づける
唇が触れ合うまであと少しのところで
諏佐から止めが入る
「…あー…お取り込み中悪いが
ここ、どこかわかってるか?」
わざとらしげな咳払いをされる
「『あ…』」

「いーんじゃねぇの?しちまえば
どうせ全員知ってんだしさ」
他人事のようににやにやと笑いながら言う青峰
「すいませんっ僕は何も見てませんから!」
ぺこぺこと頭を下げ顔を真っ赤にしている桜井
皆が口々に言う中千愛が顔を赤くしていく
それでも離れるわけでなく、ぎゅっと袖を握りしめて引っ付いている
そんな姿にきゅんとしてしまう

「千愛」
短く名前を呼ばれる
『え?』
ちらと見上げれば唇を奪われる

沸き上がる歓声
ヒューヒューと茶化す声
すいません、すいませんと桜井の声
いろんな声で溢れ返っていたけど
やたらはっきり鮮明に聞こえたのが

小さく紡がれた大好きなあの人の声


「これ以上ワシに嫉妬させよったら
こんなんじゃすまさへんで?」

『っ、ぅ…それは、勘弁…』
かあっと赤くなる顔を両手で覆い隠す

ああ、愛しい千愛
あんまりワシかてできた人間とちゃうで?
嫉妬やってするからな?
そんなかわいい顔しよったら襲いたくなるもんやで?

まあ、せいぜい他のやつらの前では押さえるよう努力するわ


―――――――――――
はー
んじゃこりゃー
嫉妬どころの騒ぎじゃねぇ!
最近スランプかしら…?
忙しすぎるから?
眠い…(笑)

氷華様…遅くなりました…
こんなんになってしまって申し訳ない…

よろしければお持ち帰りくださいな

でわでわ
ありがとうございました
9000hitおめでとう!

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