short | ナノ

理由なんて単純で

今日も今日とて練習です
みんながんばってるなぁ

「休憩!水分補給しっかりね!」
監督のリコが叫ぶ
『はい、みなさんタオルです
あとドリンク』
てきぱきと配っていくマネージャーの純愛
誠凛唯一のマネージャーだ

『はい、黒子くんも』
ニコッと笑って渡す
「ありがとうございます」
と半分死にかけな声がかえってくる
『大丈夫?水分しっかりとってね』
すると「はい」と弱々しくかえってくるので少し心配になりながらも
他の仕事に戻る

今日の練習が終わり
部員はそれぞれ帰宅する
純愛も仕事をすませ帰り支度をし体育館をあとにする
帰り道、マジバの前を通り掛かると黒子がいた
『あ、黒子くん』
(と、火神くん…あの様子は黒子くんに気づいてなかったね)
くすくすと笑う
そしてメールを打つ
もちろん宛先は黒子と火神で
《仲いいね(笑)》
(送信っと)
しばらく見ているとメールに気がついたようで
二人が何やら話している
(あ、黒子くんと目があった…バレたな)
なんて別に隠れていたわけでもないが頭の隅でそんなことを思う
ひらひらと黒子に手をふる
すると黒子は手招きをする
火神はそこでやっとこっちをみて純愛に気がつく

自動ドアをくぐり
ストロベリーのシェイクだけを頼んで黒子たちのもとへ
「何していたんですか?あそこで」
黒子がそうそうに口を開く
『んー?ただ帰ってたら黒子くん見つけて、そしたら火神くんがきて驚いてたの見てー…メールしたの』
火神が驚いた様子で見てくる
なによと言えば
「お前よく黒子見つけたな
俺わかんなかったぞ」
とバーガーを頬張りながら言われる
食べながらしゃべるなよと思うも言わない
『え、まあ…マネージャーだし?いつも見てるよ?
私がボーッとしない限り気づかないことはないかなぁ』
ちゅーとストロベリーシェイクをのむ
「へえ」
自分で聞いときながらその反応って、と思うが押し込む

それからしばらく話して、火神も全てのバーガーを食べ終えたようなので帰ることになった
方向が一緒みたいだったので一緒に帰る
途中火神が抜け、黒子と二人っきりになる
(なに…話そう…)
沈黙がつらい
うーんと頭をフル回転させていると
「あの、先ほどはありがとうございました」
黒子が唐突にお礼をのべる
『え?さっきの?』
お礼言われるようなことしたっけ?
首をかしげると
「"いつも見てる""気づかないことはない"と」
『え、ああ…あれ
いやいや、お礼言われるほどじゃ…』
うわ、恥ずかしくなってきた!
極力目を合わせないように前を向くと
そ…と手をとられる
『くっ黒子くん!?』
「いえ…純愛さんがそう思っても、僕にとってはお礼を言うほどのものなんです
嬉しかったです、とても」
手をとられたことで驚いて黒子を見ると
にこっと微笑んでそう告げる
「好きな人にはずって見ていてほしいですしね」
聞こえないようにいったつもりだったのだろうが
ばっちり聞こえてしまった
(〜っ恥ずかしいっ…でも、嬉しい)
ああ、私黒子くんのこと好きだったんだ
だからずっと見てたんだ…いつだって気づけたんだ
そっか…

自覚するとやっぱり恥ずかしくなるもので
帰りましょうと離そうとした黒子の手を今度はしっかり捕まえるものの
顔は見れない
「っ、純愛さん?」
驚いた声が返ってきた
『手…繋いで帰りたい気分です…』
うつむいて言う
耳まで真っ赤になっているのが自分でもわかる
(思った以上に恥ずかしいよ…)
手首を捕まれ、握っている手が離れていく感覚
するとまた違った感覚
何事かと見ると
普通の繋ぎ方ではなくて指を絡み合わせ…所謂恋人繋ぎと言うやつで
「さっきの、聞こえてたんですね」
少し恥ずかしそうに言われた
『う…うん』
「手を離さないでくれたということはそういうことでいいんですよね?」
ぎゅと少し強く握られる
『その、つもり…です』
お返しとして純愛も握り返す

「好きですよ、純愛さん」
『私も好きです…黒子くん』


―――――
初黒子!!
ああああああああ
黒子くんも口調にキャラに迷子だ…
すいません
アンケートに入っていたもので…
アンケート答えてくれた方ありがとうございます

最後まで読んでくださった純愛様
ありがとうございました!

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