short | ナノ

枷となりては

赤司妹
切なめ








好きな人は
"お兄ちゃん"
それってイケないことだよね――…


『お兄ちゃん!』
久しぶりにバスケ部の練習が休みならしく一緒に帰るとこになった
昼休みに一緒に帰ろうと言われたときは心臓が止まるかと思った
『久しぶりだね!一緒に帰るの』
(朝も夕方も練習、だもんね…)
「ああ、久しぶりだね
純愛とこうして並んで歩くのも」
にっこりと笑うのは私の兄
赤司征十郎
私はずっとこの"お兄ちゃん"に恋している
イケないことはわかっている
兄妹だから
血が繋がっているから
だからずっと内緒にしている
誰にも言えない私だけの秘密


「せっかくだし、どこか寄っていくか」
いきなりくるりと方向転換をする
『え、うん!どこいこっかお兄ちゃん!』
久しぶりの兄とのお出掛け
テンションが上がる
「そうだな…」


それから商店街にいって
いろいろなお店を見て回ったり
ゲーセンに寄ったりして楽しんだ
アイス食べたい、と言い出したから近くにあったジェラート屋さんに寄った
あいにく席が一杯だったから
食べながら歩くことになった
『冷たくておいし〜!』
へへ〜と幸せ気分に浸る
お兄ちゃんも笑顔だった

「純愛のそれ、一口ちょうだい?」
唐突に言われビックリする
間接キスじゃん!と内心パニックになっていると
「はやく」
と、あーんと口を開けてせかされる
(兄妹…だもん、これ以上渋ると怪しまれちゃう)
『はいっ』とスプーンにすって口に入れてあげる
「ん
あ、これもうまいな」

―ドクン

ああ、やめてよ
その笑顔…

好き…好き、大好きよ…征十郎…

なんで、兄妹なんだろう
血が繋がってるんだろう

こうしてお兄ちゃんと出会えたことに関しては
血の繋がりに感謝してる
でも、この繋がりがなかったら…

「い…、…おい純愛?」
お兄ちゃんが心配そうな顔をして覗きこんでくる
(あ…いけない)
「大丈夫か?」
(すごく心配そうな顔してる
…でも、妹に向けた、顔してる
気持ちを切り替えなきゃ)
『大丈夫だよっ!ごめん、ボーッとしちゃった』
あははっと笑って
『やー!アイス溶ける!!』
「たく…なにやってるんだ」
苦笑いのお兄ちゃん
だって〜といつも通りの対応

…できたかな?
いつも通り笑えたかな

この気持ちだけは
隠すよ…


「結構時間たったな
そろそろ帰るか、母さんたちも心配する」
駅前の時計を見る
辺りはすっかり暗くなっている
『そうだね〜帰ろっかぁ』

「楽しかったか?」
くるりと振り返り聞いてくる
『え?た、楽しかったよ!』
いきなりで驚いたけどしっかり返事する

「じゃあ帰ろうか」
ふっと笑って頭を撫でる
『くすぐったいよ〜』
(ああ、ずるいひと…)
『もー!髪ぐしゃぐしゃじゃんかぁ!』
ぷーと頬を膨らませ髪を整える
(落ち着け、私…)
「ははっ」
(なんてきれいな顔して笑うの)

こんなに辛い恋をするなんて
私もバカだな

見込みなんてないのに

叶うはずないのに

それでも

あなたの笑顔に惹かれたのです

あなたの優しさが好きなのです

それが例え兄妹故のものだとしても…



(大好きです、あなただけが)






―――――――
はいはーい
アンケートに赤司くんきてましたからね…
最近花宮くんにかまけてましたからね…すいません

今回は兄妹設定と妹の片想いです
誰にも言えないってのはすっごく辛いと思うんですよね
しかも見込みないし
例え叶ってもねぇ…的な感じじゃないですか
切ないですね

最後まで読んでくださった純愛様
ありがとうございました!

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