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俺だけの特権

花宮姉弟
ヤンデレ気味花宮





『あはは、そうそう!でねー…』
教室でクラスメイトと楽しそうに話す花宮純愛
霧崎第一高校のバスケ部主将、花宮真の姉である

その姿を遠目から見ているのは弟の真

「…くん、花宮くん!」
「…あ?なん、…どうしたの?」
じっとクラスメイトと話す姉を見ていたら誰かに呼ばれる
同じ委員会の女だった
「どうしたもこうしたも…突然立ち止まるから…」
早く行かないと先生が待ってるよ!なんて言いながら制服の裾を引っ張る
「…あぁ、そうだね」
にっこりと答えるものの、聞こえないように舌打ちをする
「ちっ…気安く触んじゃねぇよ」
その声は休み時間の生徒たちの騒がしい声にかき消される





「…姉さん」
放課後、バスケ部のマネージャーでもある姉を教室に迎に行く
『でね…、あら、真!もうそんな時間なのね』
また、楽しそうに話していた純愛はクラスメイトに別れを告げこちらへ来る
『ごめんね、お待たせ』なんて笑う

(あぁ、その笑顔を俺だけのものにできたなら)
そんなことを考えながらも純愛に微笑み返し、クラスメイトへお辞儀をし、教室をあとにする


あぁ、姉さん…純愛…
なんで俺だけじゃないんだろうか
その笑顔を向けるのも、話しかけるのも全て

『真?どしたの?真面目な顔して…どっか調子悪い?』
心配そうに見つめ頬をなでてくれる純愛
「なんでもないよ…純愛、姉さん」
貼り付けた笑顔でそう答えれば
『そう?ならいいけど…なんかあったらちゃんと言うのよ?』
貴方は大事なこと言ってくれないんだから…と頬をつままれる
「言うよ、姉さんには」

俺には純愛だけだから…


俺だけを見て…純愛


ぎゅ…
『ま、こと…?どした?やっぱり調子悪い?』
突然抱きしめたらオロオロし出す純愛
可愛くて仕方なかった
(けど…俺らは姉弟、だからな)
ぱっと離れ
「なんもねーよ、ばぁか」
ほら、部活いくぞ、遅れる
取り繕うのをやめ素の自分に戻り先を歩けば
『…も、もー!心配して損した!ばかまこ!』
なんて叫びながら追いかけてきた



いいんだ、このままで
俺にしか、これはできないだろ?
純愛の無防備な姿を見れ、あーやって抱き締めるなんて"弟"の俺しかできねーだろ?



まぁ…彼氏なんか連れてきた日には…どうしてやろうかな







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まこたん!
ヤンデレ気味?

リクエストありがとうございました!
がんばって消化していきます


年賀状企画もよろしくお願いします

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