瞳の色とか。
ロータストームが起動して初めて会ったのは青いバイザーをかけたマイスターだ。
「君の瞳は素敵だね」
マイスターに言われてロータストームは近くの鏡面に目を走らせた。真新しい緑色の瞳が鏡面に映っている。バイザーをつけているが、マイスターの瞳は青い。ロータストームの起動に立ち会わせたトランスフォーマーはどのトランスフォーマーも青い瞳をしていた。
ロータストームは、自分が少数派に括られた存在であることを理解した。マイスターは口に人差し指を当ててこっそりと言った。
「その瞳は綺麗だけれど、ひけらかして生きてはいけないよ。いつ君が被差別者になるか分からないからね」
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【瞳の色】
サイバトロンの公共機関では基本的に『赤瞳』トランスフォーマーは働けません。
この世界で『赤瞳』はデストロンの象徴であり、サイバトロンの多くは『青瞳』で10人に1人くらい『黄瞳』や『緑瞳』がいる程度です。
あと、インセクトロンは『紫瞳』で、デストロンに属します。
ちなみに、
『青瞳』:規律型。排他主義。大人しいが集団心理が働きやすく、時に残忍。
全体の70%。
『赤瞳』:自由型。向こう見ず。人情家が多いが個人プレーでキレやすい。全体の13%。
『黄瞳』:冒険型。エキセントリック。芸術家肌やカリスマが多くサイコパスも多し。全体の6%。
『緑瞳』:共生型。計算高い。温和で物腰柔らかだが日和見。共感性が高く、心が傷つきやすい。全体の6%。
『紫瞳』:インセクトロン。他のトランスフォーマーと一線を画す。唄い、恋し、殖え、老い、死ぬ。全体の5%。
と、されている感じです。
しかし、所詮はそのような傾向があるだけで、『青瞳』で非常に乱暴なものもいれば、『紫瞳』でインセクトロンでないものも存在します。
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マイスターが自分のバイザーを外しロータストームに手渡した。バイザーの下から現れたマイスターの瞳も確かに青い。
「これを付けるといい。君が共生を望むのなら」
マイスターの手のバイザーをロータストームは一瞬戸惑ってから受け取った。
エメラルドのような瞳は青く光るバイザーの下に隠された。