そのひととなり


こぱっずかしいが、お前に手紙を書くことにする。


先に書いとくが、俺はお前に輪をかけて育ちが悪いから手紙なんぞ書いたことがない。俺はケイオンの労働階級の出身だ
本当に手紙なんぞ、何を書けば良いか分からない。だから、文句を書く。


1つ目は、お前が何故かタイタニアに乗っていない事だ。
はじめは、とうとう死にやがったかと思って一人晩酌でもしようかとしたが、お前んとこの坊主が言いやがった。
「ジジイなら、惑星ジャールの地下要塞でピンピンしてるぜ」
それを聞いて、俺は、キレた。
お前の連絡も入れねぇ適当さにも、お前んとこの坊主の口の聞き方にもだ。舐めてんのか、お前は。
とりあえず、ダージは一発のしておいた。ジャールに寄った時は、お前も一発のしてやるから、覚悟しておけ。
無駄な心配をかけるんじゃねえよ。

2つ目は、俺を勝手に空陸参謀の副官なんかにしやがったことだ。今日になって、始めて知った。本当にてめえは、俺のことを何だと思っているんだ。
そもそも、タイタニアは俺の得意な戦争の船じゃねえの知っているだろう。
乗っている参謀は、輸送参謀、科学参謀、遊撃参謀、空陸参謀だ。戦艦のくせに、穏健派が多いだろう。俺には合わねえよ。いや、そもそも、参謀が多すぎる。
そりゃあ、200年前に2週間だけ参謀副官代理はしたことはあるが、あれは陸上参謀副官だ。何で、空陸参謀副官なんだ?俺に羽が生えてるように見えるか?俺は、飛 べ な い んだよ。
…まぁ、科学参謀副官でなかっただけマシなのか?

最後の文句だ。これが一番でかい。
なぜ空陸参謀が、ガキなんだ。
ガキっといっても、お前のところのダージのようなガキじゃない。本当のガキだぞ。
原住生物を見れば、話しかけ、目を離せば菓子を食う。会議中は寝る。
トランスフォーマーって、こんな奴もいたんだなって、感心したよ、俺は。
俺はガキはどんな星の生き物でも嫌いだ。情が移る。お前が一番知っているはずだ。


文句はこの3つだ。
人事担当部のお前はもっと物を深刻に考えるべきだね。空陸参謀副官様から忠告してやるよ。
まぁ、仕事をもらったからには最後までやるけどよ。

お前の所の坊主もだ。あいつは頭も才能もあるが、かなりおっチョコだな。ちょっとばかり可愛がっといてやる。

きっとお前のことだ。もしかしなくても、まだ隠し事をしているはずだろ。
今日の参謀会議でも、結局この艦が何を運んでいるかも教えられなかったな…この艦はなんかヤバいモノでも運んでるのかもなぁ。でなけりゃ、輸送参謀の副官が、他の参謀並の地位であるはずがない。
航路がサイバトロン領域を横断しようとするのも気になる。
まぁ、また会った時にでも、教えてくれよ。


そうそう。
万が一、サイバトロンにやられた時は、墓には紫エネルゴンで頼んだぜ。
間違ってもレイヤーシティまんじゅうは持ってくんじゃねえぞ。


手紙は検閲が入らない、乗艦前に出して行くよ。なんか、やっぱり恥ずかしいな…。

じゃあ、またな。

mae ato
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