10か月、ようやく遺言探偵が完結しました。長かったー!!
ものすごく趣味に全振りしまくったパロディだったので、楽しい反面、最初のころは読んでいただけるものかめちゃくちゃ不安なまま書いていました。書き上げることが出来て本当にホッとしいる。
最初は「私立探偵五条悟」ってタイトルにしようとしていたんですけど、多少捻って遺言探偵になってます。呪術特有の薄暗さみたいなものを追加したかった。
連載のテーマ上、絶対にモブをたくさん出す必要があったので、モブの名前を全部カタカナにすることで匿名感を出してみました。
元々は死体遺棄とか誘拐とかの事件性の高いネタをやるつもりだったんですが、遺言で依頼を受けているという側面と全体の流れの関係で事件性云々というよりは人間同士の関りについての話にシフトしていきました。
だいたい裏で直哉くんが糸引いてますやん、という展開になっているのは私の趣味です。狡猾な策を弄して自分以外の人間をバカにして女を利用する直哉くんが書きたくて…大好き…。

ノブキコさんって立ち位置としては夢小説の主人公にありがちな「婚約者」っていうところで、何か少し違えば、もう少し五条を揺さぶる魅力があれば、彼女が主人公になり得たかもしれないというキャラクターとして書いていました。最終的には五条と結ばれることなく国外追放になったわけですが、わりと私の中ではお気に入りモブです。幼い頃は前向きに花嫁修業をして「大好きな悟さま」と結婚することを夢見ていたけれど、婚約の内定が取り消されて性格が歪んでしまったという表現しきれなかった設定があります。
五条にあれ以上きつく当たらせなかったのも、そういうところに気が付いていたので、あの時自分が上手く立ち回っていたらノブキコをここまで追い詰めることはなかった、主人公をひどい目に遭わせることはなかったのでは、という自責の念のようなものがあったりなかったり…。

普段「納得感」とか「説得力」を感じられるように話を書いているつもりなのですが、ただの一般人だった主人公が依頼を通して「命をかけてもいい」と考える覚悟の決まった人間に変化していく過程を意識していました。普通の人は恋人が催眠にかけられねぇしそれを解くためにビルから飛び降りようとはしないとおもうので、そこまでの流れを自然にできたらいいなぁなんて思っていました。主人公の行動や各事件の流れを自然な感じにできていたら嬉しいです。

夢小説の醍醐味というか、本質?のようなものは「キャラクターとの恋愛や友情」だと思ってはいるのですが、その部分をドーン!と出しているよりも他に大きな話の筋があって、その中にキャラクターの魅力を落とし込んでいるような話が好きで、私もそんなんが書きたいなぁと思って日々書いているつもりです。遺言探偵ではそう感じていただけていたらめちゃくちゃ嬉しい限りです。

遺言探偵、さっき計算してみたら31万字超えてるみたいです。31万字あったら私の同人誌の組み方だとだいたい文庫サイズ770ページは超えるので、めちゃくちゃ分厚い紙の本作れるやん…と思ってちょっとワクワクしてます。
あとがきでも言っていた直哉くん再戦編みたいなの書いて紙の本に出来たら楽しいなぁとは思ってるんですが、いかんせん長すぎて腰が重いです。最近紙の本作ってないから、なんか完結してる作品紙にしたいなぁと思いつつ…。

ミステリ風の話の骨組みがしっかりある話を書くのがめっちゃ楽しかったので、そのうちネタ集めて何かしらのジャンルで書きたいです。
あー、遺言探偵書くの楽しかったー!


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