401が使っている基地、「硫黄島」。この場所は往々にして私たち霧と関係があると言える。もともとは日本の陸軍基地だったらしいけど。
だんだん島に近づくにつれて、ヒュウガが作ったであろう大砲だのなんだのが見えてくる。
『ちょっと!なによ、いったいここに何の用?』
秘匿モードでもなんでもない、そのままの通信が脳内に飛んでくる。まあ私は大戦艦級じゃないから、秘匿なんて無理なんだけど。
『ヒュウガ、久しぶりだな。少し話がしたい。攻撃するつもりはないから入港させてくれ』
即座にナノマテリアルで白旗を作り、ひらひらとわざとらしく振った。
『ふうん、変な話もあるもんね。まあいいわ、久しぶりにお茶でもしましょ。第二ドックを開けるわ、入港して頂戴』
どうやら地下じゃなく地上から迎え入れてくれるらしい。重巡だからこれも助かる。なんだかんだヒュウガは優しいから好きだったりする。
なんで柳の傘下なんかに行っちゃったんだか。そんなに401が愛しいか、この変態。
悪態をついているうちにもがこん、と音がする。アームのロックを確認してから私はハッチを開け、ひらりと硫黄島に降り立った。
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