もしゃもしゃくん  [ 7/7 ]




次の日。シャッフルマッチに中学生が選ばれたらしく、その事で話題はもちきりだった。

私は見に行こうとしたところを柘植コーチに捕鯨されて苦手な外回りランニングをさせられている。ああ、もうやめたい。帰りたい。でもやめたら殺される……。

なんとか長いロードワークを終えて、ベンチで軽くストレッチをしていると、後ろから「あっ」というマヌケな声が聞こえてきた。

振り向くと、昨日徳川に睨まれてたもしゃもしゃ君に会った。しばらく目線を泳がせたのち、「俺、切原赤也って言うっス」と名乗った。よく見たら凄い可愛らしい顔立ちだな。

「あの後、大丈夫だった?」
徳川のあの目は私もあまり得意じゃない。少し体が怠くなる程度で済むのは珍しいことです、と斎藤コーチも言っていた。
「大丈夫っす。いつもアレ、食らってるんで…」
切原くんはへへ、と笑いを浮かべつつそう言った。いつも…いつも、ということは近くにそんなメンタル攻撃を持ってる選手が居るってことか。昨日の試合でも思ったけれど中学生の中にはもう凄く強い子が沢山居るみたいだったし…そういう選手が居てもなんら不思議じゃない。

「ありゃ、これは凄い人が居るんだね」
しみじみと関心するように答え、ふとコートをみるとそこには中学生と本気間近で戦うオニが居た。



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