久しぶりにお昼に屋上に弁当を持ってきた。
この真冬真っ直中にこんなの馬鹿だとは思うけど、なんだか教室にいる気分じゃなかった。
クラスメイトから一線引かれて居た私だけど、最近はなんやで私の性格を分かってくれたのかみんな話しかけてくれるようになった。
これはテニス部のお陰だ。入れ替わり立ち代わり私の元へ懇願しに来ていたら誰だって気になるだろう。

11月中旬だからかなり寒くて、教室を出るとき小さくて可愛い珠洲ちゃんがブランケットを持たせてくれた。

黙々と暖かいココアを飲み、ふと赤也くんを思い出す。彼は彼なりに気遣いをするだろう。……だからこそ怖いのだ。また鉢植え持ってったりしないように見張らないと。
ズズ、と勢いよく残りを飲み干して、パックを畳む。

…そういえば、もうすぐ図書室に新刊が入るとか言ってたな。よっこらせ、なんてババくさいかけ声と共に起き上がり、私は残り30分あまりの過ごし方を決めた。



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