「っしょ、と」

花壇の世話を一人でするようになってから、幸村がどれだけ凄い人なのか分かってきた。

一つ一つ、花には苦手なものとか、特有のケアがあったりする。それをあの人は空で全部覚えてるわけで。

私も幸村に教えてもらいながら少しずつ、少しずつ。覚えてきた。

今、幸村が一番大事にしているダリアのお世話を任されている。

ダリアは夏から秋にかけて咲く花だから、実はもう時期は過ぎてるんだけど

幸村が、見たいって言うから。植えたらしい。

さすがに美化委員は幸村の息のかかった連中ばっかりのような気がするなあ。

それでも、幸村が私に任せたいって言ってくれたから。

実はちょっと嬉しかったりしたんだ。

そのこともあって、最近はよくメールをする。まああいつからバカみたいにばんばん送ってくるのもあるけど。

『一応今の花壇はこんな感じです。みんな頑張ってるよ。』

作業中のみんなを写メに撮って、送ってみる。

此処何日かはずっとこんな感じだ。

あいつが居ないだけでずいぶん静かだけど、何か物足りない感じもして。

だめだな、何か調子狂うや。




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