あの日。
私は放課後幸村を訪ねるべく、神奈川の金井総合病院に脚を運んでいた。
って言っても。何を話せば良いんだろうか。
こつん、軽くドアを叩く。
「....はい」
何週間かぶりに聞く幸村の声。
「お邪魔します、」
「.......!」
幸村は一瞬目を見開き、私を見据える。
「..どうぞ、」
ベッドの横の椅子を引いて、幸村はなんだか自暴自棄な笑顔を浮かべた。
「…だいじょう、ぶ、?」
きゅ。
幸村は俯いたまま、私の手を優しく握った。
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