それからも代わる代わるテニス部が私のもとへ来て、頼むから会いに行けと言いに来た。よほど怖いのか、日に日に頼み方の腰が低くなってくる。 そんなある日だった。今日の刺客は仁王らしく、私の襟首をつかんで屋上まで連行されてしまった。今日、やけに口数少ないうえに乱暴だな。最低。一応女の子だぞ。 ずらり。屋上にはR陣が見事に勢揃いし、その上みんな屍のような表情をしている。 「…なによ。」 絞められてついた痕をさすりつつ、私はみんなを見渡した。 「…頼む。本当に精市に会いに行ってやってくれ。」 今まで口を出さなかった柳が私に、懇願するように言った。それを筆頭に、切原くんや丸井までもが頼む、お願いだから、と言ってきた。 …なにかあった。態度変わりようにさすがに何かを感じ取る。 「…俺たちじゃ精市に元気を分けてあげられない。」 「…どういうことよ、」 泣いていた。あの、真田くんが。 それから説明してくれたことは、…あまりにも弱った幸村の現状だった。 [prev|next] top |