「あ」 階段の踊り場で真田に会った。あの幸村の一件以来、一緒にご飯を食べづらくて私は教室で食べている。久しぶりにこのおじs…いや、真田を見た。 「…幸村、どう?」 それくらいしか私たちに話題がない。ので仕方がないけど振ってみた。 私は、真田がテニス部で一番理解のある人だと思っている。幸村や仁王にいじられてはいるけど、きっと普通の中学生で普通に理解のあるやつのはずだ。…はず。 「元気だぞ。…その、お前に来てほしいと言っていたが。」 「は」 幸村が私に会いたがっている?冗談はよしてくれ。 「悪いけど行けないよ。…幸村に早く治せって言っておいて。」 「待たんか、みょうじ!」 真田の怒号(寸前)が飛んだ。うるせえ。 「…何よ、」 「幸村に会いに行け。…頼む。」 …あ、これ、アレね。幸村に殺されるってやつね。 「ま、がんばれゲンちゃん。」 「なっ!?やめろ!」 ひらひら〜と手を振り、私は階段を下りた。 [prev|next] top |