いかん。昼の仁王のせいでいまいち体に力が入らない。イライラ……

一応言っておくが、今は幸村くんと一緒に花壇の整備だ。やんちー座りで雑草を抜いている。

「みょうじさん、動きが悪すぎるよ。君、一体いくつなの」

「すんません…」

ああああ、集中できない……何でまたこんな事に。なんなんだよ仁王。白髪の癖に!

それから雑草を仁王の尻尾だと思って抜きまくった結果、もの凄く効率がよくなった。恐るべし、人の怨念…


軽く一時間たっただろうか。幸村くんが今日はこのあたりでやめておこうか、と言った。私は立ち上がって幸村くんに続き、片づけをしようとした。

やんちー座りのまま作業していたからだろうか。足に力が入らず、腰が嫌な音を立てた。やべ、これ花壇に落ちちゃうじゃん−−−

「危ない!」

幸村くんの声がして、私の身体はふわりと包まれた。
これからくるであろう衝撃に耐えるため、堅く閉じていた目をおそるおそる開ける。
青、と白。なんか良い匂い。

「みょうじさん、今日なんかおかしいよ。何かあったのか。」

倒れそうになった私を支えてくれたのは幸村くんで、私の顔は幸村くんの胸板に押しつけられている。




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