「菊丸くーん!誕生日おめでとーっ!」
「ありがとー!」
廊下のむこうで英二は誰か知らないけど笑顔を振りまく。まあ今日は英二の誕生日だし仕方ないよね。
いつも語尾が伸びてて猫っぽいけど、実はそうでもなかったりするんだなあ、これが。
もちろん今の英二も英二なんだけど、それとは別に大人な英二だって居る。
「あっ!なまえ!」
英二は見て見てー!と沢山貰った山を見せつけ、なまえは何くれるの?と首を傾ける。あざとい。
「プレゼントは放課後ね?」
「えーっ!何で?」
「なんとなく?」
そう答えると些か気を悪くしたのかいじけ始める。あざとい。(二回目)
「今日英二ん家行くんだから、その時!」
「……はーい。」
私が此処で渡すのを渋ったのは、大人な英二が見たいからだ。今あげちゃうときっとさっきとおんなじ様に受け取るんでしょ?
だから、お家までお預けだ。
その日、部活を終えて英二の家へと向かう。
何度も来ているので、くつろいでいたら英二にぱんつ見えるぞ!と言われた。今更。
「で?何くれんの?」
「……はい。」
小さな袋に入ったそれは、普段の彼からは想像が付かないようなアクセサリー。
「今度出かける時さ、一回つけてみてよ。きっと似合うから。」
まじまじとアクセを眺めてから英二はつぶやく。
「……やっぱ的確に突くよねえ、俺の趣味」
よかった。そういう意味で微笑むと英二は他の子のはなんか可愛らしすぎて使いづらいんだよなーと愚痴をこぼす。
そんなこと言いつつ使ってあげる英二は本当に優しい。
「来年も突いてみせますよ?英二」
「…おう!」
やっぱり私の隣は英二しか居ないな。
*あとがき
菊丸おめでとう!いったいいくつなのか気になるね!!!
つか山なしオチなし。あららら。