「水谷、やる」
「え?ありがとう。……マカロン?」
「今年のバレンタインは俺がやるって約束したからな。因みにそれチョコ味」
「そっかバレンタインだ!」
「忘れてたのか」
「いやぁ、自分が渡す側じゃないと忘れちゃうもんだね」
「そうだな。俺も去年は忘れてた」
「……何ていうか、火野君が選ぶものって結構可愛い系が多いよね」
「お前に似合いそうなの選んでたら自然と可愛い系になるんだよ」
「えっ、そのっ、えっ」
「何照れてんだ。いつもは結構大胆な事するくせに」
「そ、そうかな?」
「ああ。予想外なとこでな」
「ごめんね?」
「謝ることねぇよ。そういうとこも引っ括めて気に入ってんだ」
「ありがとう」
「そういや、もう一年か」
「何が?」
「お前からチョコ貰ってから。あの時必死だったよな、お前」
「それはっ、気持ちバレたらフラレるって思ったから隠すのに必死で」
「それでも渡すって事は水谷はやっぱ大胆だな」
「そうかな?自分じゃ分かんないや」
「おい」
「ん?」
「ちゃんとホワイトデー、寄越せよ」
「勿論っ!火野君がくれた時の倍ぐらいキャンディー用意するからね」
「ああ。楽しみにしてる」
back