「はい」
「おう。これはお前に」
「ありがと。よし、開けるぞ」
「せーのっ」
「……包みを見た時から薄々気付いてたけどよ、何だこの靴下は!何でヒヨコ柄なんだよっ」
「可愛いだろ?」
「俺と交換すんのに可愛いの選んでどうすんだ…」
「断腸の思いだった…!」
「それならお前用に買っとけよ!」
「俺は体育担当してるだろ?授業中にズボンの裾上がって見られたら生徒に何言われるか」
「あー…」
「その点、お前は数学担当だろ?見られる心配がない。癒しが欲しくなったらお前のズボン脱がしてでも見るから覚悟してろ」
「止めろよ」
「んで、俺のは……えっ?これ、色は違うけど一緒…」
「……こないだこのヒヨコ柄見て騒いでたのを思い出したんだよ」
「包装が違うぞ」
「わざわざバレないように包み換えたんだよ」
「さすが変なとこ凝り性なだけあるな」
「褒めてんのかそれ?でもお前がそんな理由で可愛い靴下穿いてなかったとは…靴下だけ普通っておかしいと思ったんだよ。下着もファンシーなのに」
「でもこれ穿くぞ」
「えっ、穿くのか?」
「お前から貰ったんだから穿くに決まってんだろ。お前も穿けよ?ちゃんとお前の好きな紺色にしたんだし」
「ああ。ちゃんと穿く。でも本当に穿いて大丈夫なのか?」
「おう。バレた時にはお前から貰ったって言うから大丈夫だ!」
「待て。俺の趣味みたいになるだろ止めろっ」
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『靴下の日、ペアーズディ』は恋人同士で靴下を贈り合う日らしいです。
今回の二人はいつぞやの学年主任×生活指導の先生達です。
ペアーズディに因んで靴下もお揃いにしてみました。
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