「今日のご飯は何作ろっか…うわっ!」
「危ねぇっ!…ったく、こんなベタに階段から落ちそうになる奴、そうそういねぇぞ」
「と、俊稀さん?すみません、考え事をしてて」
「考え事?」
「はい。今日のご飯は何にしよっかなって…俊稀さんは好きな食べ物、ありますか?」
「俺、か?……肉じゃが」
「肉じゃがかぁ…じゃあ今日は肉じゃがにしよっかな。そうだ、助けていただいたお礼に是非食べに来て下さいよ」
「まぁ、俺は忙しいんだけどな、陵さんの弟に誘われたら断るわけにもいかねぇか」
「忙しかったんですか?すみません」
「別に気にしなくていい。ちゃんと美味い肉じゃがを作れよ」
「はい。…あの、俊稀さん。凄く言いにくいんですけど…」
「何だよ」
「助けてもらってアレですが…腕、離してもらっても良いですか?いつまでも抱き抱えられてるのはちょっと」
「!?お前が危なっかしいから支えてやってただけだぞっ!別にやましい気持ちはっ…」
「分かってますよ。有り難うございます」
「お、おう」
「じゃあ俺はこれで。ちゃんと美味しい肉じゃがを作るんで食べに来て下さいね?」
「ああ。7時に行くから用意しとけよ」
「(俊稀さんの腕、結構逞しかったな)」
「(あいつちっちぇし抱き心地良かった…)」
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