離れてても心は一緒だから、大丈夫だよ、なんてどこで覚えたんだかクサいこと極まりないけれど大丈夫要素の一つも見当たらないその言葉を信じた俺はよっぽど阿呆だったんだと今になって思った

人の心は変わるもんだ、誰かと全部一緒なんてあるわけがないんだ

ある者は頭にあると言いある者は胸にある者はお腹にあるというその物体になんの根拠を持ってそんな信頼を寄せていたのか甚だ疑問である
自分のことだが



別の高校に進んだ俺たちは
中学の頃よりぐっと一緒にいる時間が減っていた
学校が反対方向なので電車で会えないのは分かっていたが駅でさえ会わなくなった

メールや電話だってケータイ買ったばかりの頃こそ連絡を取り合っていたが
入学をきっかけに一気にその頻度は落ちた
お互い慣れない環境についてくのがやっとで、たしか最初連絡がおろそかになった理由はそんな感じ

入学おめでとうテストだの(全然祝われた気はしない)対人関係だの、右も左もわからないような広い校内で生活するのは無自覚に負担があったようだ


そんな生活にすっかり慣れた頃には、連絡のない生活が日常になっていた
自分から連絡を入れるのはなんだか気が引けた
月々のケータイ使用料は下がる一方で家計は大助かりだ

寂しいかって聞かれたら寂しいけどまぁこんなもんか、なんて思いはじた
男同士だし、なんて自分で言ったくせに胸がぎゅーって痛んだ
そんな痛みも部活に入部してからは次第に薄れていった

そんなある連休の日
他校との練習試合の帰りの電車でたまたまあいつの学校の最寄り駅を通る電車に乗った

俺はその駅では開かない方の扉にうっつかってたから反対ホームがよく見えた


私服のあいつと、腕を組んでる可愛い女の子の姿がよく見えた

どうみてもお似合いのカップルだった

「お幸せに」
口パクであいつに向かって言ってみた


電車が発車する瞬間、ひどく目を丸くさせたあいつと目が合った気がするけど、確かめる術なんてなかった

かかってきた電話は 電車内だから、優先席の隣だからと言い聞かせて無視を決め込んだ






思春期の感情は残酷だ
(それでも俺には君に酷いことを言いたくなかった)




――――――――
最後のは電話にでたらマックスを傷つけることしか言えそうにないと考えた半田くんが電話にでなかった本当の理由

意味不明申し訳ないですorz
もしかしたら続く…??

[ 7/26 ]

[*prev] [next#]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -