「れんぞ…?」

「…れんぞ…ひっく…うぐっ…」


真夜中、午前2時頃にかかってきた電話
相手は奥村くん
ちなみに、俺の愛しの恋人だったりする

お馬鹿だと言われる彼だが礼儀を知らないわけではない
むしろ他人に気を遣いすぎる面があるぐらいだ
だから普段の彼なら真夜中に電話をかけてくることはない
まぁ寝ていて掛けれないという理由もあるだろうが

(…あ、またか…?)

また、というのは
時々顔を見せる俺しか知らない奥村くんの話
若センセが奥村くんが泣いてるのをほっとくわけないからきっと若センセは任務かなんかでいないんだと思われる日に限って現れる、泣き虫で怖がりな奥村くん

「れんぞ…っれんぞ…っ」
「おん」
「おれ、いつ処刑されるんだろう?いつ牢屋にいれられるんだろ?今度はどこを斬られるの?腕?首?心臓?手が滑ったフリして致命傷与えられんだろう?いつお前に会えなくなるの?おれは…っ」

泣いていたのが嘘のようにすらすらと喋る彼の声には恐怖の色がよく見えている


(あぁ…)

不器用だなあ、と思う

「ほんなら奥村くん」
「…ん…?」
「処刑去れそうになったら俺が逃がしちゃるし牢屋ぶち込まれよったら脱獄の手伝いしたるわ。そしたら斬られることもないやろうし俺ともずっと一緒や」
「え…?」
「俺が死ぬときの最後の言葉は奥村くんの致節唱や。これなら死ぬまで一緒」
「れん…?」
「俺と奥村くんはずっと一緒や。やから生きとることを怖がらんでええよ、燐」
「れん、ぞ…う…っ」
「おん、泣かんといてやぁ」
「だ、て…っ」
「まぁ、彼女慰めるのも彼氏の役目ですかね」
「…ばーかっ」


死ぬまで一緒
(そういえば志摩)
(何ですのん?)
(俺の致節唱まだ解明されてねぇ)
(…こら長生きせんとあかんなぁ…)








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前サイトより

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