「ねえねえねえねえねえ」
「…んー」
「ねーってば!生返事ひどいー!」
「…んー」
「はーんだってばー!」


ぷくーっと目の前で松野が頬を膨らます
いつもならなんだよ、の一言ぐらい言ってあげるのだが今日はそうはいかない
固く心に誓った俺は松野の相手をすることなくがりがりとペンを走らせる

「なんで急に宿題なんてやってんのさー!いっつも日曜の夜やるくせにー!」
「…」

あそんでかまってオーラをいっぱいに出す松野はガチで拗ねる一歩手前の症状だと学んでいる
このままだと面倒くさいことになる…むしろ本末転倒にも成りかねないと踏んで俺はペンを止めた


「!遊んでくれるの!?」

ぱっと表情が明るくなる松野
なんかかわいい…じゃなくて

「宿題が終わったらな」
「だからなんで僕という恋人を目の前にして宿題を取るのさ!」


またぷくーっと頬を膨らました

あーあ、本当は宿題終わったら言おうと思ってたんだけどなぁ

「今やっとけばもうずっと一緒にいれるじゃん」
「僕が帰ってからやったほうが方が絶対一緒にいれる時間長いと思うんだけど半端君」

そんぐらい俺にだって分かる
馬鹿にすんなよちくしょー

「…今週末、うち誰も帰ってこねーんだ」
「え?」
「泊まってけよ」
「…」

松野が固まって動かない
どうしたものかと顔をのぞき込んだら
いきなり抱きつかれた
机を挟んでんのに飲み物をこぼさず
…器用な奴だな

「松野?」
もしかして予定ある?と聞こうとしたら
その口を彼のそれでふさがれてしまった

ぼっと一気に顔に熱が集まる

「早く終わらせてよね」

そう囁くとふにゃりと彼が笑った
いつもの悪巧みの笑みやカラカラと笑う彼も好きだけど幸せそうにふにゃりと笑う顔が何より好きだったりする

恥ずかしいから言ったことは無いんだけどさ


「おう」
そしてまたがりがりとペンを走らせた



宿









ほのぼのしてる松半(*´ω`*)すき
何番煎じかわからないような会話失礼しました…orz


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