「かえりたく、ない」
「は?どしたの」


いつものように一緒に帰っていた夕暮れの河川敷
隣を歩いていたはずの半田は何故か僕の後ろを歩いていて、僕のジャージの裾を掴んでいた


「だって帰ったら松野隣にいないじゃん」
「…まあ、当たり前じゃん」

また歩きだそうとした僕をやっぱり半田が引き止める
ジャージの裾をぐっと引っ張って
そんなに力込めて握ったら伸びちゃうじゃないのさ


口をちょっととがらせ気味にへの字にしてう゛ー、と小さくうなる半田
うん、かわいい……じゃなくて

「俺松野とずっと一緒にいたいもん」

…なにこの、殺し文句
ちょっとすね気味に、目線をはずして、極めつけに涙目
うん、完璧






ただ一つのマイナス要素があるとすれば、今日が4月1日だってことかな



四月バカ
またの名をツンデレが素直になる日



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