「かえりたく、ない」
「は?どしたの」
いつものように一緒に帰っていた夕暮れの河川敷
隣を歩いていたはずの半田は何故か僕の後ろを歩いていて、僕のジャージの裾を掴んでいた
「だって帰ったら松野隣にいないじゃん」
「…まあ、当たり前じゃん」
また歩きだそうとした僕をやっぱり半田が引き止める
ジャージの裾をぐっと引っ張って
そんなに力込めて握ったら伸びちゃうじゃないのさ
口をちょっととがらせ気味にへの字にしてう゛ー、と小さくうなる半田
うん、かわいい……じゃなくて
「俺松野とずっと一緒にいたいもん」
…なにこの、殺し文句
ちょっとすね気味に、目線をはずして、極めつけに涙目
うん、完璧
ただ一つのマイナス要素があるとすれば、今日が4月1日だってことかな
四月バカ
またの名をツンデレが素直になる日
[ 18/26 ][*prev] [next#]