「氷帝と?」

「そう。夏緒も氷帝は知ってるでしょ?」

「うん、まぁ」


氷帝学園といえば、テニスが強い事でも有名なあの金持ち学校の事だよな。中学の頃はよく練習試合をしていたとは聞いてたけど…


「何でまた、今?」

「あっちの部長と俺の意向なんだ。」

「ふーん。何でそれを俺に?」

「実は氷帝のマネの子が辞めちゃったらしくて、こっちから1人借りたいんだって」

「マネって…俺しかいないじゃん。」

「だから、夏緒。誰か氷帝に送る助っ人探しといて」


楽しそうに笑う幸村君に溜め息を吐きたくなった。何か企んでるんだろうな。でもまぁ、俺が氷帝に行く訳じゃないからいっか。俺あそこの部長苦手だし。つーか泣き黒子を視界に入れると爆笑しちゃうし。あ、なんか今思い出し笑いしそう。
笑うのを堪えながら、幸村君に対して頷くと彼は満足そうに笑みを深めた。
助っ人どうしよっかな。春太君はきっとめんどいって言ってやってくれなさそうだし、千秋は休日寝てそうだし。…残るは1人か…。でも、


「ねぇ幸村君それって普通の部員も応援行くの?」

「いいや。その日はレギュラー以外自主練習にするつもりだよ」

「そっか。じゃああいつに頼も」

「え?もしかして、夏緒、」


携帯を素早く取り出し、電話帳から目的の人物を探し通話ボタンを押す。何回かのコールの後に、聞き慣れた声が聞こえて来る。なんか幸村君が言ってるけど、電話優先した方がいいよね。


「もしもし真冬?ちょっとお願いがあるんだけど」






---
氷帝編始まりましたー
そして会話文じゃない。つらい

0908