「ここ、どこ…?」


きょろきょろと周りを見渡すも見知らぬ駅に見覚えのあるものなんてない。やばい…これはやばいぞ。元々寝坊して遅れてんのに、迷子になるとかやばい。ケータイの時刻を確かめると9時を少し過ぎた頃。確か試合は9時半から。それまでに間に合わせないと、丸井の負ける所が見られない。負けてがっくりとうなだれている丸井を見て高笑いしてやるんだからな!


「つーか、丸井なんなの。こんな地図じゃ全然わかんねーよ」


最寄りの駅はケータイで調べてなんとか来れたが、駅から学校への丸井の手書きの地図は汚くて意味が分かんなかった。なんだよこの『とりあえずすっげーでっけーごうか。』って。小学生か!戦う相手は“氷帝学園”だったっけ?夏緒に聞いた情報ではとても金持ち学校らしい。後、テニス部がホスト部と呼ばれてもおかしくない程みんな顔が整っているらしい。金持ちでイケメンとかどこの少女漫画だよ。こんな事ならヒトカラ行きゃあよかった。1人で脳内ツッコミしながら駅前にある地図の方に向かう。そんなに有名な学校なら載ってんだろ。俺ってば頭いい!


「…ん?」


思わず目を瞠ってしまう。え?嘘だろこれ。地図の半分を占める土地に書かれた“氷帝学園”。もしかして、これ全部が氷帝…?まじかよ。俺学校に着いたとしても迷う自信あんだけど。


「どーしよ、」


再度きょろきょろと周りを見渡すと、テニスバックを背負ってる人が目に入った。もしかしたら、氷帝の試合に行く人かもしんない!恥ずかしいけど、連れてってもらうしかないよな。うん。丸井とか夏緒にバレなきゃ大丈夫だ!すいませんっ、と駆け寄りながら声を掛けると、俺の救世主は、はい?と言いながら振り返った。


「うわぁ…」


振り返った彼は、無駄にイケメンなきのこ頭くんだった。すっげー不機嫌そうだけど大丈夫か。






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千秋の口調が未だに定まらない\(^o^)/

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