「あれ西倉」

「お前なんでここに居るんだよぃ」

「…別に」

「機嫌悪いのう」


日曜朝6時。僕は駅に居た。少し寝坊した僕はまだ完全に目が覚めていなくて何だか無性に苛々していて、前に居る仁王の結んでる髪を引っこ抜いてやりたい衝動にかられた。なんで丸井は頭赤いんだよ。黒染めしろよ。自分でも自分が分からなくなってきた。そんな僕の背後からのんきな声が聞こえてきた。


「おはよー真冬」

「おはよう夏緒」

「お願い聞いてくれてありがとね」

「別に…幸村君の頼み、だし」


朗らかに笑う夏緒から思わず目を逸らしてしまう。本当は朝起きた時も玄関を出る時も駅に着く直前も迷っていたから。僕は“立海テニス部”の部員で、幸村君が率いる“立海”の一員で、それを誇りに思ってる。一時でも他のテニス部に加担するような事は何だか裏切りに思えたから。多分、こんな事春太や千秋に話したら笑われると思うけど、僕は結構本気だ。
その時、夏緒の背後から見慣れた3人組が歩いてくるのが見えた。その真ん中に居る人を確認して、緊張と興奮が僕の中で混ざり合った。その人は目が合うと、慌てて駆け寄ってきてくれた。ゆきむらくん


「真冬!来てくれたんだ」

「幸村君…」

「ごめんね、無理なお願いをして。」

「全然、大丈夫だよ!」


幸村君にそんな顔させたくないから、お願いを受けたのに。そう思いながら僕はどうにかして笑顔で答えたのだった。





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なんか…真冬…がちじゃね…←


0913