昼休みinテニス部部室


「なんだよぃ、話って」

「南山に千秋に西倉まで集まってどうしたんじゃ?夏緒は?」

「まぁまぁまぁ、落ち着け丸井に仁王」

「それにしても狭くない?春太くっつかないで汚い」

「真冬お前俺にだけひどくね」

「てか勝手に部室使っていいの…?」

「南山が幸村君に許可取ったらしいぜぃ?」

「え!春太幸村君と接触したの!?幸村君大丈夫かな…」

「俺菌扱いされてんだけどー泣きたい。千秋慰めて」

「背中に乗ってくんなよー暑い」

「それで?話って何なんじゃ?」

「ああ。仁王と丸井さ、今日何の日か知ってる?」

「今日?」

「…別に何も無かったと思うがの…?」

「お前ら薄情な奴らだなぁ!」

「今日、夏緒の誕生日なんだよ」

「「…ああ!」」

「2人共今思い出した顔してんね…」

「うわぁやべぇ、俺何も用意してねぇ」

「俺もじゃ…やばい」

「まぁぶっちゃけ俺らも朝気付いたんだけどな」

「じゃあ俺らとそんな変わんねーじゃん」

「いや!自ら気づくのと誰かに言われて気づくのとは違う!!」

「千秋僕に言われて気付いたじゃん…」

「な、なにそれ知らなーい!」

「千秋が覚えとる訳ないからの」

「千秋が覚えてたら奇跡だろぃ」

「お前ら馬鹿にし過ぎだろおおお」

「それでね2人共。何もあげないのは夏緒が可哀想だからね、これ」

「消しゴム?」

「消しゴムあげるんか?こんなに」

「違う。それ彫んの」

「「彫る?」」

「東和夏緒ってひらがなでね。用は消しゴムスタンプって事。」

「これ春太の提案なんだけどさ…馬鹿っぽいよな」

「千秋に馬鹿って言われたら終わりだな。」

「うるせぇ下半身馬鹿!!」

「それはほめ言葉」

「きもい。」

「春太と千秋はほっといて。仁王に丸井も手伝ってくれない?」

「まぁそんぐらいならいいぜぃ」

「プレゼントも用意してないしのう」

「よっしゃ!仕事減った!」

「愛がこもってないプレゼントになりそうじゃの…」

「いやいやいや、春太君の愛こもりまくりだかんね」

「それはそれで嫌だよね」

「確かに!!なんか卑猥だよぃ」

「何かさ、お前ら俺馬鹿にし過ぎじゃね?俺チャラ男設定のはずなのにな…」

「わーわー!馬鹿春太!設定とか言うな!」



――――そして、放課後inファミレス



「はいこれ」

「…なにこれ?」

「俺らぷらすブン太と仁王からのプレゼント!」

「まぁまぁ開けてみてよ」

「消しゴム、だよな?……ぶっ」

「頑張って彫ったんだぜ俺ら」

「春太なんて間違えて彫っちゃったから危なかったしねぇ」

「俺がまだ次彫ってなかったから良かったものの…」

「千秋が彫るの遅くて助かったわ」

「なんか千秋と仁王とブン太が授業中必死になってると思ったら、こんな事してたんだ」

「ちょーう心籠もってるからな!」

「誕生日おめでと夏緒」

「金入ったらエロ本でも何でも買ってやるよ」

「ありがとう」


馬鹿っぽいプレゼントだなぁと思いつつも、嬉しい気持ちでいっぱいの夏緒だった。



110905.
※今日が主2の誕生日という訳ではありません(笑)