「もう、無理だ。」豊が泣いている。俺の両肩を掴み、俯いて小さく震えていた。まだ唇には豊の熱が残っている。ぽたぽたと落ちる水滴をただ見守る。豊の気持ちは痛い程分かるのだ。でも、それでも、と反発してしまう自分がいる。俺達はこんなにも愛し合っているのに、何故結ばれてはいけないのか。何で“無理”だなんて言うんだ。俺達が男同士だから?俺が中学生だから?豊が前から言っていた“世間体”ってやつのせいか?俺達が付き合っている事は勿論周りには言わないし、堂々とデートも出来ないし、人前で「好き」も言えないし、抱き締められないし、キスも出来なかった。それでも俺は良かったんだ。本当はもっと自由に何処ででも豊を愛したかった。これでもすっげー我慢して、耐えていたんだ。『ごめんな』って苦しそうな顔をしながら俺とセックスする豊にも。楽しそうに野球部と笑う豊への独占欲も。俺はずっとずっと頑張っていたのに、なんで今更無理だなんて。「ごめんな…ごめん」もう怖い、みんなにバレんのが一番怖い。ごめん、好きだけど、もう俺には無理だ。俺を犯す時と同じ顔で謝り続ける豊に口を噤む事しか出来なかった。
俺達はそれぐらいのものだったのだ、と涙が溢れた。







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あみだした結果いっちゃんに!
いっちゃんは世間とか気にしそうなタイプですよね。
てか中学生が相手って色々やばい…?←

拍手ありがとうございます!!
これからもよろしくお願いします

Title by カカリア
七瀬




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